背筋力の衰えは40代から!腰痛、肩こり、頭痛、息切れ、便秘、二重あご…姿勢の悪さが不調をまねく〈良い姿勢を取り戻す〉ねたままストレッチ
◆反復した動きが骨や関節を健康にする 姿勢が悪くなるのは、加齢だけが要因ではありません。体の使い方のクセ、運動習慣などが今の姿勢を作っています。 姿勢の改善には、「良い姿勢」だけでなく「ラクな姿勢」も欠かせません。良い姿勢は、身長を測るときのように背筋を伸ばして少しあごを引いた状態で、座ったときも同様です。ただし、良い姿勢は筋肉を使って支えるため、筋力がつく反面、筋肉に疲労がたまってしまいます。そのため、背中の筋肉がこわばって硬くなり、可動域が低下して腰などに痛みが生じることも。 ラクな姿勢は体の力を抜いてダランとした状態。ねこ背、椅子の背にもたれる、づえをつく、といった姿勢です。ラクな姿勢は筋肉を働かさない分、骨と骨をぐ靭帯に負担がかかるため、靭帯が緩み、関節にズレが生じます。つまり、良い姿勢もラクな姿勢も、同じ姿勢を続けているのは良くないということです。 これらを踏まえ、加齢による背骨の変化を食い止め、姿勢を改善する方法をお伝えしていきます。ポイントは、「体を動かす」「関節の可動域を広げる」「筋肉をつける」の3つです。 次ページから3つのストレッチを紹介します。まずは、姿勢のクセを直し、腰椎などの可動域を広げる「ねたままストレッチ」を行い、筋肉にアプローチする2つのストレッチにも挑戦してみてください。今、ねこ背であっても、S字の姿勢に戻していくことは可能です。私がリハビリを担当している患者さんの中にも、背中が丸まって硬くなっていた胸やお腹まわりの筋肉と関節がストレッチによって伸び、「縮んでいた身長が伸びた」といった方が多いのです。 注意点は、痛みが出るまでやらないこと。週3日を目安に、お風呂上がりや寝る前など、体が温まり柔軟性が高まっているときに行うのが効果的です。まずは1ヵ月、続けてみてください。姿勢が良くなった、腰痛が治ったなど、何かしらの変化を実感できるはずです。