久保凛が金メダリストからもらった世界で戦う為の助言「ハプニングがあったときに対応できるのが本当の強さ」
1998年のタイでのアジア大会では、42kmを30度以上の暑さで走るのに朝食が届かなかったんですね。でも日の丸を背負っている以上「食べてないから走れません」って言えないから。でも、そのときに気持ちを揺らさないこと。「本当に強い選手になりたい」と思っていたから、ハプニングがあったときに対応できるのが本当の強さだと。それを証明できるときだって、ハプニングを楽しむような気持ちでいける対応力が大切だと思います。 高校のときに「疾風に勁草を知る」っていう言葉を、先生からもらったんです。強い風が吹いたときほど強い木かわかる。大きな大木は強そうに見えても、強い風が吹いて枝が折れたり倒れてしまうけど、竹や笹のように臨機応変にしなれる選手になりなさいと。それが一番強い選手だと。800mのレースでも、思いもよらない展開になったときも、臨機応変に対応できるのかもそうだし、アップをする時間やご飯を食べる時間がなくなったとか、思いもよらないことが世界大会ではすごく多い。そういうときにこの言葉を思い出してもらって、本当に強い選手になろうっていう気持ちで対応できるようになれば、多分どんなところでもこなせると思います。 久保:ありがとうございます! 海外でのレース経験を積むには、遠征費用などの課題を抱えているというが、金メダリストの話を聞きながら、キラキラと目を輝かせた久保。学ぶ事に誰よりも貪欲で吸収できるものは、全て自分のプラスに変える。高橋の言葉を心に留め、久保は世界に挑戦していくつもりだ。 久保:高橋さんも世界で活躍されていた方で、こういう今日の経験は自分の中で必要な経験をさせてもらったと思いますし、これから世界で戦っていく中で気をつけた方がいい事を教えていただいたので、教えていただいた事を活かして、活躍する選手になっていきたいと思います。 ■久保凛 2008年1月20日生まれ、和歌山・串本町出身。潮岬中~東大阪大学敬愛高。小学6年生までは、サッカークラブに所属し、中学から本格的に陸上競技を開始。3年時に全日本中学陸上女子800mで優勝。23年8月インターハイで1年生ながら優勝。24年日本選手権女子800m決勝でも2分3秒13で初優勝。7月15日の関西学連・長距離記録会で1分59秒93の日本新記録をマーク。19年ぶりの記録更新し、日本女子初の2分切りを果たす。7月末のインターハイでは2分00秒81の大会記録で連覇を達成。8月のU20世界陸上でも2分03秒31で6位入賞。10月の国民スポーツ大会は少年女子A800mで2分02秒09の大会新記録で優勝。
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