阪神退団の新井の広島復帰はなし。獲得する球団はどこ?
過去に自由契約となった中村紀洋を拾って、ゼロから再生させた実績のある中日の落合博満GM(当時は監督)が、事態の進展次第では興味を示す可能性もあるが、むしろ動く可能性の高いのはパ・リーグの楽天、日ハム、オリックスの3球団だろう。 楽天は、新井をFAで阪神に誘う際に『橋渡し』をした前監督の星野仙一氏が、新井に近い関係者からの相談を受けてフロントサイドへ話を通したようだ。 現在、星野氏が楽天の編成に影響力を持つ立場でなくなっているので微妙だが、編成部と大久保博元新監督が、その“星野提案”にどういう結論を出すのか。 今季、三塁へコンバートされた銀次は、守備の負担が打撃に影響を及ぼし、一塁へ戻ったり、松井稼頭央に三塁を守らせたりもした。2013年に常総学院からドラフト2位で獲得した内田靖人をサードマンとして育てたいのがチーム方針だが、まだ定位置確保にはおぼつかない。本来、打を優先すべき、一塁、三塁のポジションが不動とは言えないだけに、どちらも守れる新井は、チームの競争力を高めて空いたピースを埋めるカードにはなる。 また日ハムは、他球団のベテラン選手には手を出さずに若手を内側から育成していくのがチーム編成の基本方針。しかし、三塁の小谷野栄一が、現在FA移籍を検討しているというチーム事情もあって、もし、小谷が出ていくとなれば、一転、状況は変わってくる可能性も消えない。 オリックスは、2年契約の2年目となるヘルマンの三塁とT-岡田の一塁は不動ではあるが、新井が、そこに加われば厚みが増す。またオリックスは、同じ関西圏の阪神の人気選手を好む傾向にある。 新井は、昨年オフから、コンディショニングトレーナーの手塚一志氏の指導を受けて、体の効率的な使い方に取り組んでいて、大きな手ごたえを感じている。今春のオープン戦では絶好調でチーム内のキャンプMVPに輝いたほどだった。 昨年は、140試合に出場しているし、2011年には93打点で打点王を獲得。通算2000本安打にも残り146本と迫っている。38歳だが、“まだやれる”との自信があるからこそ「最後にもう一度競争したい」とタテ縞のユニホームを脱ぐことを決意した。 自由契約選手として公示されると、9日以降に他球団との交渉が解禁となる。新井を巡るストーブリーグの動向に注目が集まる。