喘息発作が起こりやすいタイミングや条件とは、「把握して事前に対策することが重要」
季節の変わり目に喘息の発作が起きやすいと感じたことはありませんか。とくに、大人の喘息は一度発症すると完治することは難しく、症状を上手にコントロールしていくことが重要になります。しかし、季節の変化による症状の悪化に対して、どのように対処すればいいのでしょうか。そこで今回は「日吉の森内科クリニック」の森田先生に、季節の変わり目に喘息の症状が悪化しやすい理由や発作が起こりやすいタイミング、対処法について教えていただきました。 [この記事は、Medical DOC医療アドバイザーにより医療情報の信憑性について確認後に公開しております]
喘息とは
編集部: まず、喘息について教えてください。 森田先生: 簡単に説明すると、喘息とは空気の通り道である気道にアレルギー性の炎症が生じる疾患です。ダニやホコリなどのアレルゲンやストレス、気温・気圧の変化、風邪など様々な原因によって気道が過剰に炎症を起こし、これらの刺激によって発作的に気道が狭くなってしまいます。 編集部: 喘息になってしまうと、どのような症状がみられるのでしょうか? 森田先生: 気道が収縮し、発作的な咳や痰(たん)などの症状がみられます。また、夜間や早朝に「ヒューヒュー」「ゼーゼー」という「喘鳴(ぜんめい)」を生じたり、呼吸が苦しくなったりすることもあります。 編集部: 夜間や早朝に症状が出やすいのはなぜですか? 森田先生: 夜間や早朝に症状を生じやすいのは、気道の拡張・収縮が「自律神経」によって支配されているためです。自律神経は意識しなくても人間が生きていくために身体の状態を一定に保つように働く神経のことで、自律神経は興奮状態のときに働く「交感神経」とリラックスモードのときに働く「副交感神経」に分けられます。交感神経の作用によって気管支は拡がり、副交感神経の作用によって収縮します。夜間から明け方にかけては副交感神経が優位になり気管支が収縮するため、喘息の場合には夜間や早朝に発作を起こし、咳や痰、呼吸苦などの症状が出やすくなります。 編集部: 一度喘息になってしまうと、治らないのですか? 森田先生: 小児喘息は適切な治療によって治ることもありますが、大人の喘息は基本的に完治するケースが極めて少ないと言われています。そのため、喘息を発症した場合には、発作を引き起こすようなアレルギー物質との接触を避けたり、無症状でも治療を継続したりして、症状と上手に付き合っていくことが必要です。