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60-75歳の「使いながら運用する時代」に資産寿命を4割伸ばすには?

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LIMO

前回の記事『老後の生活費の計算法:要素は「年金収入」「勤労収入」「資産収入」の3つ』では、いくつかの仮定を置いて退職後の生活で必要となる「資産収入」の総額を計算しました。 「逆算の資産準備の考え方」の図表を見る 退職直前の年収が700万円の方が、(1)60歳で退職し、(2)65歳までの5年間に現役時代の6割の勤労収入を得て、(3)公的年金は月額24万円を65歳から受け取り、(4)95歳までの人生を送る、といった前提で、「資産収入」として総額で3,960万円が必要と算出しました。

資産収入の中身

今回はその4000万円近い自助努力資金をどうやって作り上げることができるかを考えてみます。もう退職までそれほど時間がなくなっている50代にとっては、この金額を用意することはかなりハードルが高いはずです。 ただ、実際には“退職までにこの金額を準備する必要がない”ことを理解すると、その向き合い方にも余裕が出てくるはずです。 「資産収入」の原資は、(1)現役時代に積み上げてきた元本、(2)現役時代の運用による収益、(3)退職後も資産運用を継続することでもたらされる運用収益、の3つに大別することができます。 こう整理すると、(1)と(2)は退職までに用意する分ですが、(3)は退職後に稼ぐ分ということがわかります。すなわち、3,960万円のうち、ある程度は退職後に稼ぐことができる部分でカバーできるということになります。

「使いながら運用する」考えを導入すると資産寿命が延びる

60歳で退職しても75歳までの15年間は運用を継続することを考えます。 そもそも現役時代に資産形成を行ってきた人にとっては、60歳になったからといって運用を止めて、そこで一気に現金化するとは考えにくいものです。実際には、毎年の必要額に応じてその資産の中から徐々に資金を引き出していくでしょう。 そこで、60-75歳の15年間を「(資産を)使いながら運用する」時代と位置付け、資産全体から生活用に一部分を引き出しながら残りの資産は運用を続けると想定します。 たとえば年率3%の運用を続けながら、残高の4%を引き出すというルールで運用と引き出しをコントロールするとします。そして75歳以降は、その時点の残高の20分の1ずつを75歳から95歳までの20年間で毎年引き出すと案分します。 この条件で計算すると、どんな金額を想定しても60歳時点で用意した資金から、約1.4倍の引き出し総額を得ることができます。すなわち持っている資産の寿命が4割伸びるわけです。 これを逆算すると、引き出し総額の7割程度が60歳時点で用意できていれば、その引き出し総額を達成することができるということになります。「資産収入」の合計額が約4,000万円である場合には、60歳時点で約2,800万円あれば、それが可能になるという計算です。

逆算の資産準備

ちなみに95歳までの退職後の生活から遡って60歳時点での資産の必要額を推計する方法を「逆算の資産準備」と呼んでいます。 グラフでは、95歳まで資産が持続することを起点(ゴール)として、そこから75歳までの「使うだけの時代」、75歳から60歳までの「使いながら運用する時代」を明示し、その間の引き出し総額が4,000万円程度になるための考え方を示しています。 <<これまでの記事はこちらから>>

野尻 哲史

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