「娘が運転を?」「事故後の容態は安定していた?」グレース・ケリー死の真相--なぜ疑惑はいまも消え去らないのか
事故は、運転中のグレース公妃が脳梗塞に襲われたことが原因だと推察されています
ステファニー公女のインタビューによれば、そのときグレース公妃は、「頭痛に悩まされていた」と言っています。その結果、瞬間的に意識を失ったと推測されてもいます。そしてクルマは道を逸れ、フルスピードで崖へと飛び出してしまったという流れです。 後日、検死を担当した医師たちにより、「グレース公妃に、脳血管発作を起こしたと思われる根拠が見つかった」と発表がなされました。公妃が運び込まれた病院で外科主任の地位にあったジャン・シャトラン医師は、前述の「ニューヨーク・タイムズ」紙 の取材に対して次のようにも語っています。
当初、運転していたのはグレース公妃ではなく、ステファニー公女だったのではないか?という憶測が流れもしました
これは、事故の第一発見者となった男性のインタビューにより広まった誤解と言えます。この男性は、ステファニー公女を運転席側のドアから引っ張り出したと証言したのです。その後ステファニー公女自ら、この誤解を打ち消す証言をしています。 「助手席のドアは完全につぶれていました」と、彼女は「ガーディアン」紙に対して答えています。「運転席側のドアを通じてしか、脱出する方法はありませんでしたので」と…。
グレース公妃が快方に向かっているという誤った報道もありました
大腿骨(だいたいこつ)、鎖骨、そして肋骨を骨折したグレース公妃が危機的状態に陥っていたにも関わらず、モナコ公国のスポークスマンは「グレース公妃の容態は安定している」と声明を出し続けたのです。 その公式声明を鵜呑みにしたのは、大衆だけではありませんでした。「妹が生命の危機を脱したのだと、私も信じたのです」と、同「ニューヨーク・タイムズ」紙 の取材の取材に答えたのはフィラデルフィアに暮らすグレース公妃の兄ジョン・ケリーです。 「公式声明として示されていたのは、医学的に裏づけのある情報ではなく、政治的な情報だったわけです…」と、その記事の中でシャトラン医師と同僚の医師は語っています。 このお二人によれば、公国スポークスマンによる不確かなメッセージが広まったおかげで、「ステファニー公女がドライブしていた」や、「グレース公妃に対して適切な治療がなされなかった」などという、今日まで語り継がれるほどの疑惑を生んでしまったということでしょうか。