Yahoo!ニュース

IDでもっと便利に新規取得

ログイン

河井前法相夫妻への1億5000万円、示されぬ使途 自民、買収否定すれど説明迷走

配信

  • この記事についてツイート
  • この記事についてシェア
中国新聞デジタル

 ▽党内からも疑問や不満  前法相の河井克行容疑者(衆院広島3区)と妻の案里容疑者(参院広島)が逮捕された公選法違反事件を巡り、昨年7月の参院選公示前に夫妻の党支部に提供された1億5千万円の使途に関する自民党の説明が二転三転している。当初は「広報紙配布の費用」「買収には使えない」としたが、検察当局に関係書類を押収されて詳細を確認できていないことが判明。党内からも説明責任を果たすよう求める声が上がり始めた。 【ダイジェスト】河井克行・案里夫妻 買収事件  「政党交付金は国民の税金が原資。党本部で公認会計士が厳格な基準に照らして事後的に各支部の支出をチェックしており、買収に使えないのは当然のこと」  河井夫妻が離党した6月17日、二階俊博幹事長は記者会見で力説した。1億5千万円の使途は「支部の立ち上げに伴う党勢拡大のための広報紙を複数回、全県に配布した費用に充てられたと報告を受けている」と述べた。同党は1億5千万円の内訳を明らかにしていないが、中国新聞の取材で8割の1億2千万円が政党交付金と判明している。  河井夫妻は翌18日逮捕された。安倍晋三首相(衆院山口4区)は同日の記者会見で二階氏の説明を引き、「巷間(こうかん)言われているような使途に使うことはできない」と買収との関連を重ねて否定した。  だが二階氏は23日になって「党として支出した先がどうなったか細かく追及しておらず、承知していない」と発言。これまでと食い違う説明を展開した。  このため中国新聞は党本部に質問書を提出。同党幹事長室から文書で回答を得た。夫妻の関係先が検察当局の家宅捜索を受け、領収証などの書類が押収されたことから「詳細は不明のまま(政党交付金)の使途報告書が提出されている」とし、使途を確認できていないことを認めた。  首相や幹事長による「買収には使えない」などの言い分は崩れた。広報紙に充てたとの報告は参院選の前だったことも分かった。  こうした党本部の対応を受け、30日の総務会では出席議員から執行部に説明を求める声が相次いだ。鈴木俊一総務会長は「党員が抱く疑問や不満に応えなければならない」と述べた。  首相は18日の会見で「党総裁として国民に対する説明責任を果たしていかなければならない」と語っていた。政治資金に詳しい日本大の岩井奉信教授(政治学)は党の説明の迷走にあきれた上で「使い道はもちろん、異例の金額である1億5千万円の提供を誰がどう決めたのか、決定の過程や金額の内訳を有権者に明示する義務がある」と指摘する。

中国新聞社

【関連記事】