ラヴェルが2年ぶりの復活星 矢作師「スタッフの力ですね」と苦労ねぎらう/チャレンジC
<チャレンジC>◇11月30日=京都◇G3◇芝2000メートル◇3歳上◇出走15頭 3番人気のラヴェル(牝4、矢作)が強豪牡馬を撃破し、約2年ぶりの復活星を挙げた。馬群の中団で流れに乗り、直線は早め先頭からそのまま押し切った。勝ち時計は1分58秒2。心身に成長を見せ、22年アルテミスS以来の重賞2勝目をつかんだ。 ◇ ◇ ◇ 待ちに待った復活星だ。4歳牝馬ラヴェルが強豪牡馬を相手に完勝の内容で、2年ぶりの白星を挙げた。道中は馬群の中団で脚をためると、直線は早めに抜け出して後続を完封した。中山競馬場から画面越しに見守った矢作師は「スタッフの力ですね。調教から工夫をして、立て直してくれた」と苦労をねぎらった。 2歳時のアルテミスSでは、のちの3冠牝馬リバティアイランドをも破った逸材。しかしその後は、折り合い面などに課題を残して白星から遠ざかっていた。転機はエリザベス女王杯2着と復調気配を見せた前走。複数頭が縦一列に隊列を組んで行う縦列調教を厩舎で取り入れ、ラヴェルにも折り合いに進境が見られた。カイ食いも改善され、岡助手は「カイ食いが良くなったことで追い切りなどでしんどい面が抜け、全てがかみ合ってきた」と良化ぶりを明かした。 今後は年内を休養に充て、来年は国内外と広い視野でさらなる飛躍を目指す。矢作師は「この状態を保てれば、大きいところを狙えると思う。リスグラシューみたいにしたいね」と笑顔を見せた。名前が挙がった名牝は、同じ勝負服で国内外のG1を4勝。偉大な厩舎の先輩に続けと、ラヴェルの挑戦はこれからも続いていく。【奥田隼人】 ◆ラヴェル▽父 キタサンブラック▽母 サンブルエミューズ(ダイワメジャー)▽牝4▽馬主 (有)キャロットファーム▽調教師 矢作芳人(栗東)▽生産者 ノーザンファーム(北海道安平町)▽戦績 13戦3勝▽総獲得賞金 1億6594万7000円▽主な勝ち鞍 22年アルテミスS(G3)▽馬名の由来 人名より。母名より連想。