Yahoo!ニュース

IDでもっと便利に新規取得

ログイン

故中村哲さん、新種昆虫の学名に 佐賀大などの研究グループが命名 佐賀で発見のタマバエ

配信

  • この記事についてツイート
  • この記事についてシェア
佐賀新聞

 佐賀大農学部の徳田誠准教授(昆虫学)らでつくる研究グループは11日、佐賀県藤津郡太良町の多良岳で発見した新種のタマバエの学名を、アフガニスタンで昨年12月に武装勢力に殺害された医師の中村哲さん(享年73)にちなみ、「ナカムラテツイ」と名付けたと発表した。長年にわたってアフガンの人道支援に尽くした功績を後世に伝える願いを込めた。中村さんは昆虫好きとして知られていた。  徳田准教授らは2018年8月、多良岳で樹木のミズメの葉から虫こぶを見つけ、虫こぶを形成するタマバエを確認した。成虫と幼虫の形状などを詳しく調査したところ、新種であることが分かった。昨年12月、学名を検討していた日に、中村さんが現地で凶弾に倒れたことが報じられた。  研究グループの一員で、佐賀大に留学経験のあるエジプト人の日本学術振興会外国人特別研究員イルサイド・アイマン博士が、中村さんの遺志を多くの人に受け継いでもらおうと名前を学名にすることを提案した。論文を査読した研究者も共感したという。「ナカムラテツイ」の「イ」は学名に人名を用いる際の接尾辞で、新種の和名は「ミズメタマバエ」。  中村さんは福岡市の非政府組織(NGO)「ペシャワール会」の現地代表として、アフガンやパキスタンの国境付近で医療支援に取り組み、用水路の建設など農地の復興や拡大も進めた。命名はペシャワール会を通じて遺族から了承を得た。同会は「タマバエは森の中で静かに暮らしている昆虫。その説明を聞いた遺族は、中村さんが幼い頃から昆虫が好きだったこともあって喜んでいた」と話す。  新種に関する論文は、動物分類学の国際誌からオンライン出版した。徳田准教授は「新種の学名を知った人たちが中村医師について調べ、業績が目に留まる機会になってほしい」と述べた。(山本礼史)

【関連記事】