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継続か延期か…新型コロナ流行下でどうする不妊治療

配信

Medical Note

新型コロナウイルス感染症(COVID-19)の拡大を受けて、日本生殖医学会は4月1日、「国内でのCOVID-19感染の急速な拡大の危険性がなくなるまで、あるいは妊娠時に使用できる予防薬や治療薬が開発されるまでを目安として、不妊治療の延期を選択肢として患者さんに提示していただくよう推奨いたします」という声明を発表しました。ここで「選択肢として提示」にとどめているのは、延期が子を持つことの断念につながる可能性もあるからです。緊急事態宣言が5月末まで延長され、COVID-19流行の収束が見通せない中、不妊治療を受けている・考えている方々はどうすればいいでしょうか。【山王病院病院長・堤治/メディカルノートNEWS & JOURNAL】

◇不明な点も多い妊婦への影響

COVID-19が妊娠、特に妊娠初期の胎児に及ぼす影響は現段階では明らかになっておらず、母体から胎児への感染の可能性は不明です。妊婦は感染リスクが上昇するという報告はありません。また、妊婦が感染しても特に重症になることはないようですが、全く重症化しないということではありません。現在試行されている治療薬には催奇性(胎児に奇形を生じさせる作用)があるものもあり、妊娠が成立したあとのCOVID-19感染への対応に苦慮することが予想されます。 前述の日本生殖医学会だけでなく、世界保健機関(WHO)などの保健機関、生殖医療を専門とする学会などからも、不妊治療の延期や中止を選択肢として提示することの推奨が発表されました。この治療には、人工授精、体外受精・胚移植、その他手術などが含まれます。しかしながら、これら声明には不妊治療再開のめどなどは示されていません。ワクチン開発あるいは国民の大半が感染し抗体を保有するまでには年単位の時間がかかることが予測されます。

◇知らなかった「卵子の老化」

「そんな大事なこと、もっと早く教えてもらわないと困ります」 これは40歳の初診の患者さんと私の外来でのやり取りです。 「卵子は胎児のときに作られていて、20歳の時は卵子も20歳。40歳になると、卵子も40歳で、受精率や妊娠率、流産率にも年齢に応じた変化が生じます」と説明すると、多くの方から冒頭の言葉を頂戴します。初めてお目にかかった方ですから、もっと早くお教えするすべは残念ながらないのです。卵子のエージング(老化)などの啓発に努めてきた産婦人科医として、自分の力不足を感じる時でもあります。

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