服だけでなく“着ていく場”を提供、婦人服「レリアン」が実践する顧客サービスの在り方
顧客との信頼関係が肝に
「エンゲージメントを強固にする」という目的からスタートしたクラブレリアン。その成果として、来店の促進や売上に繋がっているという。「反響は予想以上でした。結婚式に参列する前にドレスや靴を新調するように、イベントが発生すると、そのために新しい洋服が欲しくなるものです。そのため、クラブレリアンに着ていくためにお洋服を新調されるお客様もいれば、イベントが終わると、その足でいつも通っている店舗に立ち寄って、イベントの内容を仲の良いスタッフに報告しに行く方もいます」(松永氏)。 レリアンは1968年の創業から今年で56年を迎え、顧客層は40代から70代までと幅広く、親子2世代や3世代にわたってブランドを愛用している顧客も少なくない。今年2月には、新規顧客獲得に向け、ブランドの若返りを目指す新カテゴリーの展開をスタートさせるなど、時代と共に変わりゆく側面もある。そんな今、ファッションブランドとして、顧客とどのように向き合うべきだと考えているのか、改めて松永氏に尋ねると「信頼関係が何よりも大事」だという。「これだけ情報が多く、沢山のブランドがあり、買い物の仕方も多様化する中で選んでいただくためには、販売員を信頼できるかどうかが肝になると考えています。お客様に信頼をしていただける接客を心がけることは、時代が変わっても変わることはなく、レリアンらしさの軸になっていると思います」(松永氏) ただ服を売るだけではなく、その服を着ていく場所、そして時に同じ趣味や空間を共有する人との繋がりまでをも提供しながら、顧客との絆を育むレリアン。常に受け手と密接にあり続け、些細な声を拾い上げて実現してきたことが、半世紀にわたって愛されてきたブランドたる所以なのかもしれない。