服だけでなく“着ていく場”を提供、婦人服「レリアン」が実践する顧客サービスの在り方
レリアン流、顧客との付き合い方
レリアンでは、クラブレリアンのほか、毎年5月には秋冬シーズンの展示会を兼ねた「逸品会」を開催。同イベントでの紹介アイテムは完全受注生産とし、その場で受注を行うことで、余剰在庫を作らないための取り組みも行っている。また、毎年2回、春と夏に「ザ・ウィーク(THE WEEK)」と題した新作の催事を各店舗で開催。事前にカタログを郵送し、購入者にはギフトを進呈するなど、手厚いサービスを頻繁に行うことで、顧客との関係をより密にしている。 顧客との関係性を強化する中で、“つい立ち寄りたくなる”店舗づくりも行っている。「美容師さんやお医者さんと同じように、販売スタッフはある意味他人だからこそ、家族や友人にはなんとなく言いづらいことでもつい話してしまうことがあると思います。買い物のついでに、込み入った家庭の事情やお子様の自慢話を話しにくるお客様も少なくありません」(松永氏)。販売員としてはもちろん、話し相手として振る舞い、回数を重ねることで、顧客にとっての居場所の一つとしての店舗づくりに努めているのだという。
イベントを通して友人同士に、現地取材で見えた顧客同士の関係性
第3回の開催となる今回のアフタヌーンティーの会場を見渡すと、来場客は夫婦や友人同士、また1人での参加も目立った。第1回の開催から約1年が経ち、当初は1人で参加していた顧客も回を重ねるごとに交流を深めるようになったといい、1人で来ている者同士で談笑しているシーンも見られた。 パーティーの中盤に行われたファッションショーでは、宴会場の客席の間を舞台に、レリアンのスタッフがモデルとして登場し、最新コレクションを披露。モデルの着用アイテムに実際に触れたり感想を口にしながら楽しむ顧客の様子は、ランウェイで行われるいわゆる“ファッションショー”とは一線を画し、親しみやすさに溢れたアットホームな雰囲気で、円卓をともに囲む顧客の間には「あの服が(あなたに)似合いそう」といった会話が自然と生まれていた。