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一部とはいえ対面礼拝に固執…「公共の敵」となったプロテスタント

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ハンギョレ新聞

命にも代えられない宗教の自由? 韓教総「政府は礼拝を糾弾するな」との主張に 市民「他人の命が危険にさらされる」と反発 大規模教会の牧師も「そんなことをしている時ではない」 「教会建築に使った借金の返済のための献金と 信者確保のための利己主義」批判  地方の「集合制限勧告」は強制なし 全羅、慶尚など8地域の教会 先週末にも半数以上が対面礼拝 一部教会の逸脱的行動は続く模様

 一部のプロテスタント教会が新型コロナウイルス感染症(COVID-19)拡散の震源地として浮かびあがったことで非難を浴びているにもかかわらず、一部のプロテスタント教団指導者と牧師たちは依然として対面礼拝に固執している。これらの教会は「礼拝は命と同じ価値」と声をあげるが、プロテスタント内部からも「信者の瓦解を取り締まり、教会を維持する献金を確保するための利己主義の発露」との批判が噴出している。 ■「教会建築用借入金の返済と賃貸料のため」  一部の牧師たちの認識は、27日に文在寅(ムン・ジェイン)大統領がプロテスタント指導者たちを招待した大統領府懇談会の席でも明らかとなっている。韓国教会総連合(韓教総)共同会長のキム・テヨン牧師は「宗教の自由は命にも代えることができない価値」とし「対策なしに教会の門を閉めて礼拝を取り消すことはできない」と主張した。翌日には日刊新聞に京畿道基督教総連合会名義の「政府は礼拝をみだりに制限するな」という広告が掲載された。  一般国民はこのような一部のプロテスタント教会に対し、一様に糾弾の声をあげている。主婦のOさんは「命をかけるというのは自分の命が危うくなった時に使う言葉であって、自分が礼拝をすることで他人の命が危うくなった時に使う言葉ではない」と批判した。あるネットユーザーは「ウイルスを防ごうということであって、神様を防ごうということじゃないではないか」と問い返した。  一部からは、教会が献金のために対面礼拝に命をかけているのではないかという指摘も出ている。あるネットユーザーは「礼拝堂に固執するのは『借金の霊』が彼らを虜にしているから」と皮肉った。手に負えないほどの借入金で教会を建てたり、高い家賃を払っていたりするから、献金のために礼拝堂に固執しているというのだ。キム・テヨン牧師が「宗教団体を営業所や事業所のように扱うな」と言ったことについて、教会2.0牧会者運動のファン・ヨンイク前実行委員は「事業家よりも金を好むうえ、商売感覚と営業感覚がもっとも優れており、マーケティングに命をかけるかのごとく教会を運営しているくせに、盗人猛々しい」と批判した。  対面礼拝を強行する教会は「聖書の教え」を主張するが、実際には聖書にそのような根拠はないという批判もあふれる。ソウル大学のソン・ボンホ名誉教授はキリスト教倫理実践運動のホームページに文章を掲載し「対面礼拝だけが礼拝だという主張は聖書的根拠もない。一部には、献金のために対面礼拝に固執していると皮肉る声もあるが、韓国教会が受け得る最大の冒涜だ。どうか事実でないことを願う」と述べた。 ■大規模教会の牧師も「そんなことをしている時ではない」  このように対面礼拝ばかりに固執する牧師は、大きく二つに分類される。一方は上記のように、対面礼拝が長く中断されたら信者が減少し、献金が減るという現実的な心配をする人々だ。もう一方は、チョン・グァンフン牧師に同調して、文在寅政権がすることには何であれ反対し、たてつく人たちだ。一部の保守的な牧師は、こうしたことを背景に防疫指針そのものにも不満を示している。  しかし、大規模教会の牧師でさえも「今はそんなこと(対面礼拝への固執)をしている時ではない」と強調する。高い志連合宣教会のキム・ドンホ牧師は「ナンセンス韓国教会」と題するSNS文章で「政府が教会を迫害していると主張するが、私の目には教会が政府と世の中を脅かしているように見える」とし「だが、それは教会を壊す行いだということをなぜ彼らは考えられないのか」と述べた。ソウル江南所望教会のキム・ギョンジン担任牧師は「オンライン礼拝があるのはせめてもの幸い。集まって礼拝することは自分と他人を殺し得るわけで、『人を殺めることなかれ』という十戒に背く可能性がある」と指摘した。進歩・改革性向を持つ10あまりの団体で構成される「プロテスタント回復のための非常対策委」も31日に「謝罪声明書」を発表し、「韓国の教会はコロナ禍を前にして、韓国社会と国民に対し、拭うことのできない罪を犯した」とし「この事態はチョン・グァンフンと極右キリスト教を中心に引き起こされたが、これを幇助し黙認した韓国教会の責任も否定できない」と告白した。 ■一部教会の逸脱はしばらく続く模様  国民世論は対面礼拝を強行する教会に批判的だが、一部の教会の逸脱的行動は今後も続く見通しだ。実際、社会的距離措置(ソーシャル・ディスタンシング)レベル2.5が開始された30日にも、全国各地の教会で対面(現場)礼拝が行われ、防疫当局との摩擦が生じている。  特に、勧告に近い集合制限命令を下した全羅北道や慶尚北道などの8地域の対面礼拝の割合は、首都圏より高かった。全羅北道では、4126あるプロテスタント教会のうち2526教会、全羅南道では4016のうち2592教会、慶尚南道では2638のうち1442教会、江原道では1327のうち846教会で対面礼拝が行われた。慶尚北道は、3126ある教会のうち、調査が行われたのは2580教会だけだったものの、対面礼拝を行った教会は2016にのぼった。蔚山(ウルサン)でも318中198教会、世宗(セジョン)では290中163教会、大邱(テグ)では1625中575教会が対面礼拝を行った。当初は強制性のない集合制限勧告だったため、管轄自治体は現場礼拝で防疫守則違反が摘発された場合に限って警告を行うことで対応している。  強制性を帯びた集合・対面礼拝禁止行政命令を下したソウル市、京畿道、仁川市(インチョン市)などの7広域自治体の対面礼拝の割合は、相対的に低かった。ソウル市は2839教会を点検した結果、対面礼拝を強行した40の教会を摘発した。ソウル市はこれらに対して集合禁止命令を改めて下し、今月23日と30日に対面礼拝を強行したトンムン教会と霊泉聖潔教会を告発する予定だ。京畿道は7707中118教会、仁川市は2336中23教会を摘発した。釜山市(プサンシ)も1765教会のうち、対面礼拝を強行した42教会を摘発した。これらの広域自治体は「現場礼拝を行った教会を感染症管理法違反などの疑いで告発する」と明らかにした。 チョ・ヒョン宗教専門記者、キム・ヨンドン記者 (お問い合わせ japan@hani.co.kr )

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