たとえ”最強”メルセデスにいても……サインツ「ハミルトンに勝てるドライバーはほとんどいない」
メルセデスのルイス・ハミルトンは、F1第14戦トルコGPで見事な逆転優勝をきめ、7度目のドライバーズチャンピオンに輝いた。 【動画】7度目のタイトル獲得を決めたハミルトン、感慨に浸る|2020年F1第14戦トルコGP決勝 ハミルトンが獲得した7つのタイトルのうち、6つはメルセデスが圧倒的なパフォーマンスを見せてきたパワーユニット時代に獲得したものであり、ハミルトンの成功においてマシンとドライバーの双方が果たした役割についての議論が再燃した。 マクラーレンとメルセデスでテクニカルディレクターとしてハミルトンと働いた経験を持つパディ・ロウは以前、ハミルトンの成功は主に彼のドライビングによるものだと述べ、彼のキャリアを通した一貫性を称賛した。 マクラーレンのカルロス・サインツJr.も、ハミルトンの成功は”マシンだけのおかげ”だとは考えていない。 彼は「(グリッドの)90%のドライバーはメルセデスにいてもハミルトンに勝てないだろう」と主張。一方、仮にハミルトンがいなければ、どのドライバーがメルセデスに移籍したとしても、レースに勝てるようになるだろうと話した。 「チームメイトとして、あの(メルセデスの)マシンに乗っていても、20レースのシーズン中にハミルトンを倒すことが出来るドライバーはほとんどいないだろう」 「しかし、もしハミルトンがグリッドにいなかったとしたら、今のF1ドライバーの誰もが、メルセデスで勝つことが出来るようになるだろう」 「それが今のF1で何が起こっているかをかなり説明している。でもハミルトンは、たとえ彼が最高のマシンに乗っているとしても、最高のドライバーのひとりなんだ」 サインツJr.曰く、重要な時にパフォーマンスを発揮できるという能力が、ハミルトンは際立っているという。 「僕は、ハミルトンがプレッシャーの中でどのようにパフォーマンスを発揮するかを良く観察している」と、サインツJr.は説明した。 「たとえ(バルテリ)ボッタスとの差が小さかったとしても、彼はいつも全てのセクターをうまく走ってポールポジションを獲得している」 「雨のオーストリア(シュタイアーマルクGP予選)では、チームメイトに1秒半もの差をつけてしまった。彼は他の人が持っていないモノを持っているんだ」 来季はフェラーリに移籍するサインツJr.だが、ハミルトンとの違いを真に理解するためには、「ハミルトンのチームメイトでなければならない」と付け加えた。 「同じマシンを運転していなければ、他のドライバーがどれだけ優れているかを知ることはできない」 「ハミルトンは歴史上最高のドライバーのひとりだと思っているし、チームメイトになったことがなくてもそれは分かっている」 「アイルトン・セナやミハエル・シューマッハーがチームメイトだったら、彼らから学び、彼らが優れたドライバーになるために何をしているのかを知ることに興味を持っただろう」
Filip Cleeren