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サガン鳥栖のクラスター、Jリーグ全体で対策急務 無症状感染者の早期把握へ

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佐賀新聞

 サッカー・J1サガン鳥栖で発生した新型コロナウイルスのクラスター(感染者集団)。国内プロスポーツ界で初めての事態で、鳥栖のリーグ戦3試合が延期になるなど、Jリーグ全体にも大きな影響が出ている。感染経路の調査が進められ、管理体制の検証はこれからだが、クラブや個人だけの問題にせず、Jリーグとして新たに対策を講じることが急務になっている。  「集団感染がJリーグから出たことを重く受け止め、クラブだけの問題にとどめず、リーグ全体の問題と捉えている」。Jリーグの村井満チェアマンは13日夜、鳥栖の試合延期を受けてコメントを発表し、Jリーグの感染症対応ガイドラインを見直すことを明らかにした。  Jリーグはリーグ戦再開前にガイドラインを設け、選手らに毎日の検温や行動記録を義務付け、37・5度以上の発熱が2日以上続いたらリーグに報告させるなど、対策を指導してきた。さらに2週間に1回のペースで、選手らのPCR検査を実施してきた。  鳥栖もガイドラインに従い、「3密」を避けるために、クラブハウスのロッカールームをグループ分けし、マスクを着用するなどの対策に取り組んできた。竹原稔社長は12日の会見で「自宅とクラブハウスの行き来だけの選手もおり、監督や選手は厳格に行動を自粛していた」と述べた。  それでもクラスターは発生した。Jリーグが7月30日に実施した検査では、監督や選手の全員が陰性だったが、8月10日の練習後の検査で金明輝(キン・ミョンヒ)監督の陽性が判明。12日にはチームの独自検査で、選手6人とスタッフ3人の計9人の陽性が確認された。9人のうち7人には発熱や倦怠(けんたい)感などの自覚症状はなかった。  クラブ内で感染が広がったことを受けて、村井チェアマンは「新型コロナウイルスは、全くの無症状で熱もなく、自覚症状もないケースがある。感染防止は非常に難しい」と述べ、自己申告がベースになっている現状のガイドラインでは、無症状の感染者を早期に把握することが困難との認識を示した。  Jリーグは今後、専門家の助言を得ながら、PCR検査の頻度を増やしたり、1日でも発熱すれば報告を求めることも検討したりして、早い段階で客観的な兆候を把握できるように基準を見直していく方針だ。  鳥栖は保健所の指導を踏まえ、11日から25日までの2週間、チームの活動を休止。陰性と判定された選手やスタッフも「濃厚接触者」とみなし、自宅に待機させている。竹原社長は「管理・マネジメント不足への指摘も真摯(しんし)に受け止め、全社を挙げて改善する」と述べ、対策の見直しを約束した。  これ以上チーム内での感染が広がらずに、選手らが順調に回復すれば、次の試合は8月29日の湘南ベルマーレ戦になる見通し。再びクラスターが発生しないように管理体制を強化し、ピッチで選手の元気なプレーを見ることができることを願っている。(山口源貴)

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