『あのクズを殴ってやりたいんだ』玉森裕太がぜんぜんクズじゃなくて…タイトルが遊離しすぎの “残念” 最終回【ネタバレあり】
物語後半、もうほとんどタイトルの意味を失っていた奈緒主演のラブコメドラマ『あのクズを殴ってやりたいんだ』(TBS系)。 【写真あり】玉森裕太、“金髪ボクサー” から黒髪に大イメチェン! 12月10日(火)に最終話(第10話)が放送され、ハッピーエンドで幕を閉じたが、作品名と内容の乖離がすさまじかった。 市役所勤めで真面目な性格の佐藤ほこ美(奈緒)が、女と遊びまくっているクズなカメラマン・葛谷海里(Kis-My-Ft2・玉森裕太)に騙され、もてあそばれるところから物語がスタート。 ほこ美は海里を殴ってやるためにボクシングを習い始める。だが、海里はかつて有望なボクサーだったものの、試合で対戦相手を死なせてしまった過去がきっかけでクズ堕ちしていたという事情を知り、再び彼に惹かれていく。 第5話ラストで、ほこ美が海里に好きだと告白し、第6話ラストで海里もほこ美を好きだと告げて、第7話で正式に恋人同士になっていた。 ■【ネタバレあり】作品名が形骸化してしまった原因は? 作品タイトルの形骸化の原因は「海里がぜんぜんクズじゃない」という一点に尽きる。 前述したように、出会った当初こそクズ要素があったが、海里は同情の余地ある悲しき過去を背負っており、その事情が明らかになってからの彼はぜんぜんクズじゃないのだ。 物語後半は、真面目でやさしい女性と、過去のしがらみに苦しみもがくカメラマンの、ごくごく普通のラブコメになってしまっていた。 とはいえ、最終話では「クズを殴る」というキーワードはたびたび登場人物のセリフで登場していた。 たとえば、ほこ美の市役所の先輩で彼女に想いを寄せていた大葉(小関裕太)が、「でも俺の言葉じゃ葛谷さんの気持ちは動かない。佐藤じゃなきゃ……。あのクズを殴るのはお前しかいないだろ?」とほこ美にハッパをかけていた。 また、ほこ美が海里に、「私言いましたよね。あなたのことが好きだから殴るって。あなたが何度クズになろうと、私はそのたびにこうやって殴りに来ます」と宣言するシーンも(ちなみに、このシーンで実際に海里を殴ったわけではない)。 そのため、ちゃんとタイトルどおりのストーリーになっているといえば、なっている。 しかし、視聴者に形骸化を悟らせないよう、帳尻を合わせるために脚本家が無理やり登場人物に言わせたセリフのように思えて、ゲンナリしてしまった。 なぜなら、大葉もほこ美も、本当は海里がめっちゃいいヤツだと知っているので、わざわざクズ呼ばわりするのは非常に違和感があって白々しい。遊離した作品名にできるだけ寄せるように、脚本家があわててねじ込んだセリフに思えてならなかったのだ。 ■【ネタバレあり】ベタ中のベタな展開ばかりの最終話 ほとんどタイトルの意味を失っていても、ストーリーがおもしろければ問題ない。けれど、最終話は全部予想のど真ん中をいくベッタベタの展開で、予定調和すぎて驚きや感動は薄め。 スパーリングでKO負けした恐怖を乗り越えて公式戦に挑むほこ美。ダウンされて劣勢だったが、その瞬間、海里が現れて鼓舞し、ほこ美は立ち上がり逆転KO勝利!……というベタ中のベタなクライマックス。 破局危機だった2人はラブラブに戻り、ほこ美はボクサーを続け、海里はカメラマンとして成功し、大団円というエンディングだった。 ちなみにエピローグでは、ほこ美を好きだった大葉と、海里を好きだったボクシングジム会長の娘・ゆい(岡崎紗絵)の間に、恋心が芽生えるシーンも描かれていた。要するに、当て馬同士が引っつくという、これまたベタ展開である。 ――「殴りたい相手」と「恋のお相手」を1人のイケメンに集約するというアイデアはおもしろかったのだが、せっかくの斬新な発想を活かしきれなかった感が強い、残念なドラマだった。 ●堺屋大地 恋愛をロジカルに分析する恋愛コラムニスト・恋愛カウンセラー。これまで『女子SPA!』『スゴ得』『IN LIFE』などで恋愛コラムを連載。現在は『文春オンライン』『現代ビジネス』『集英社オンライン』『日刊SPA!』などに寄稿中
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