コスト3割低減…新幹線の土木構造物改修、JR東海が新工法
JR東海は東海道新幹線の土木構造物の大規模改修工事向けに、コストを従来比で3割程度低減できる新工法を開発した。新工法はコンクリート橋の屋根の突き出した部分(はね出しスラブ)を補強する際、表面を炭素繊維シートで覆って表面保護材を塗布する。コンクリートのひび割れを抑制する効果は、高耐食性メッキ鋼板で覆う従来工法と同等以上。9月から新工法での施工を始める。 炭素繊維シートの重さは1枚当たり最大60キログラムの鋼板の60分の1以下で、作業員の負担を大幅に軽減できる。従来工法は3人以上で作業していたが、新工法は1人でも施工できる。省人化に加え材料費も低減できるため、従来比で3割程度のコスト低減を見込む。 高架下に建物がある場合も、建物外側と内側のはね出しスラブを分割して炭素繊維シートで被覆し、建物を撤去せずに工事できる。 JR東海は2013年度から新幹線土木構造物の大規模改修を行っている。