原告Aでなく、詩人として ハラスメントの傷知って
早稲田大大学院で指導教官だった渡部直己氏からセクハラ被害に遭った原告の深沢レナさん(32)は、当初は「原告A」として活動していたが、昨年から詩人としての筆名を公表。「匿名のままでは被害が抽象化されてしまう」。生身の人間が負った傷だと多くの人に知ってほしいと訴える。 学びの場や将来を奪われたことに対する大学側の対応が不誠実と感じ、訴訟を起こした。判決では、渡部氏とは別の男性教授が「隙がある」との趣旨の発言をしたことなどが不法行為と認められた。「渡部氏だけが悪いのではない。それを許してきた周囲の存在にも問題があることを知ってほしかった」