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ポスト安倍政局で"正論"を報じられない政治部記者たちの体たらく

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週プレNEWS

『週刊プレイボーイ』でコラム「古賀政経塾!!」を連載中の経済産業省元幹部官僚・古賀茂明氏が、ポスト安倍政局に関するメディアの報道姿勢について指摘する。 * * * この数週間、新聞・テレビがポスト安倍政局を占うニュース一色になっている。 まず、8月17日の安倍総理の7時間半の検査から始まって11日後の28日の辞任発表記者会見までの間、安倍総理の健康状態について様々な憶測記事が乱れ飛んだ。どこからもらった情報なのか、麻生太郎副総理が臨時代理になるとか、菅義偉(すが・よしひで)官房長官が次期総理だなどという「ウワサ」もまことしやかに広がった。 どうしてそんな情報が出てくるのかと考えてみれば発信者の思惑がわかりそうなものだが、そうしたことは彼らには関係ない。ひたすら与えられた情報を垂れ流すのが政治部記者だ。 なぜなら、政治家はそういう情報を伝えてもらいたいから、わざと「内緒の話」を記者に伝えているのがわかっているので、その気持ちを忖度して、ただ情報の運搬役になっているのだ。 私はそれを見ていて危機感を覚えた。首相は8月17日、24日と2週続けて検査を受けた。異例のことだ。しかし、その間27日まで11日間も、官邸は首相の病状などについて完全に秘密にしたままだった。 国民の生命と安全を守る一国のリーダーに活動の遅滞や空白はあってはならない。コロナ感染拡大が続く危機的状況の今日にあってはなおさらで、国民は政治家が公務に堪える体であるかどうかについて「知る権利」を持っている。 国のトップの病状説明で思い出すのは、ロナルド・レーガン米大統領の例だ。1981年から2期8年間務めたレーガン大統領は任期中にがんに罹患(りかん)し、2度の手術を受けた。その際、ホワイトハウスは大統領のエックス線写真まで公表し、国民にその病状を詳しく説明した。 一方、本来なら"権力の監視役"として国民に代わり、安倍総理に検査内容や現在の体調の説明を強く求めるべき日本のメディアは、そうした本来の報道の役割は果たさず、官房長官会見でも、「大丈夫」という菅長官に対して安倍総理の病状を厳しく問い詰める記者は皆無だった。その一方で、「首相の後継は菅官房長官で決まり」などという菅氏の提灯記事を「独自」と大きく銘打ち、垂れ流し続けだ。

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