2026年WBCでメジャー現行ルール適用 「ベース拡大」「けん制数制限」は侍ジャパンに追い風か
2026年に開催される第6回ワールド・ベースボール・クラシック(WBC)でメジャー現行ルールの導入が決定的であることが25日、分かった。23年から米大リーグで採用されている「ピッチクロック」「ベースサイズ拡大」「けん制数の制限」が主な新ルール。投球間隔が制限されるピッチクロックは適応に迫られるが、ベース拡大とけん制数の制限は今季、盗塁数を激増させたドジャース・大谷翔平投手(30)のように機動力アップとして追い風に働く可能性がある。 野球日本代表「侍ジャパン」が2連覇を目指す2026年3月のWBCは〝メジャー式〟で開催される。23年から米大リーグで採用している「ピッチクロック」「ベースサイズの拡大」「けん制球の制限」の導入が決定的になっていることが判明した。 米大リーグ機構のマイケル・ヒル試合担当シニア副社長がサンケイスポーツの取材に「(メジャーと)ルールを統一したい」と語り、既にWBCI(WBCを主催する組織委員会)に「要請した」と明言。国際大会でメジャーの現行ルールが運用されれば初の試みとなる。 日本にとっては「ベースサイズ拡大」「けん制数の制限」は追い風になりそうだ。ベースは一辺が15インチ(約38・1センチ)から18インチ(約45・7センチ)となり、けん制は1打席2度に制限。3度目でアウトにできなければボークが申告され、走者は進塁する。いずれも走者有利のルールで特に盗塁数の大幅増が見込める。 とくに今季、大谷は技術向上も相まって自己最高となる59盗塁をマーク。長打力に加え、スピードもバッテリーの脅威となりメジャー史上初となる「50本塁打、50盗塁」を達成した。ルール導入前は5年間で66盗塁だったのに対し、導入後の2年間で79盗塁。大谷以外にも、伝統的に機動力を生かしたプレーを得意とする日本は恩恵を受けられる。 また、ヒル氏はピッチクロックについて「レギュラーシーズンと同様の秒数になるだろう」と説明。投球間隔が無走者時に15秒、有走者時に18秒に制限され、違反した場合はボールが加算。打者は残り8秒以内に打席準備を完了する必要があり、違反すると1ストライクが加算される。移籍1年目だった山本(ドジャース)は今季メジャー6番目に多い5度の違反を喫するなど、こちらに関しては日本の投手陣は適応が必要となりそうだ。 前夜のプレミア12決勝で日本は台湾に敗れ、1年4カ月後のWBCで雪辱を期す。準備期間で新ルールに適応できれば、日本にとって有利に働く可能性が高い。