[活写] 神様 スタンバイ
大分県宇佐市で、正月向けの縁起物に使うヒョウタンの加工がピークを迎えている。育苗から栽培、加工までを専門に手掛ける「溝口ひょうたん本舗」では、今年は10万個のヒョウタンを全国約50の神社に納める予定だ。 原料となるヒョウタンは同店が自家採種して育苗。市内の農家15戸と契約して栽培する。収穫したヒョウタンを水に約2カ月間漬け、腐った中身と外皮を取り除いた後、天日で干す。 加工したヒョウタンは、神社が初詣などで頒布する破魔矢の飾りや、お守りになる。地元の宇佐神宮と福岡県の太宰府天満宮で出荷する絵馬は、願い事を書いた紙を入れ栓をする独特なスタイルだ。 代表の溝口榮治さん(78)は「ヒョウタンの中には神が宿るといわれ、日本古来の縁起物。一つとして同じ形がないのが魅力」と笑顔を見せる。
日本農業新聞