“ここからはじまる”日向坂46の新たな歴史、全ての目撃者に躍進を確信させた東京ドーム公演
日向坂46が夢として掲げ、公言していた目標を有言実行する形となった2度目の東京ドーム公演が2024年12月25日・26日の二日間で開催された。そこで日向坂46は、「約束の卵」という東京ドームへの思いとおひさま(日向坂46のファンネーム)への思いが込められた楽曲を“演らない”という選択をした。 【全ての写真】来年には五期生も加入する日向坂46が前進をやめない決意、堂々としたエンタメ性を見せつけた2度目の東京ドーム公演(全49枚) サビで“待っててくれるか? 夢叶うまで 君のことを連れて行く 苦しくても諦めない 僕ら信じてよ”と歌い、“一緒に歩いて 一緒に辿り着こう”と締められる「約束の卵」は、グループ初の東京ドーム公演の最終日となった2022年4月1日ではアンコールの最終楽曲として配置されていた。だが今回のドーム公演では、けやき坂46としてはじまった彼女たちの、日向坂46としての“はじまりの曲”「キュン」がアンコール定番曲である「JOYFUL LOVE」の後に披露され、その後のダブルアンコールでは本当の最終楽曲として2025年1月29日に発売される13thシングル表題曲「卒業写真だけが知ってる」が初パフォーマンスされた。そして万感の思いでこの舞台に臨んだであろうメンバーたちがステージを降りたその後、バックスクリーンに映し出された文字にはこう記されていた。 “ここから、はじまる。行こう、一緒に。” そう、本公演は「約束の卵」の殻を破るためのライブであったのだ。“一緒に歩いて 一緒に辿り着こう”の先、すなわち日向坂46が踏み出す新たな一歩をおひさまと共にする決意を表しており、その歴史的瞬間であったように思う。 そしてその表現はツアータイトルが示す通り、終始一貫してHappyでMagical。グループの根幹であろう“ハッピーオーラ”(という楽曲も存在するのだがこちらを演らなかったのもまたニクい!)溢れる、実に日向坂46らしい手法が取られていたことが何より嬉しかった。 ライブは中世ヨーロッパの古城(おばけホテルというコンセプトだったとのこと)のような巨大なステージセットを舞台に、12thシングル「絶対的第六感」でWセンターを務める正源司陽子と藤嶌果歩によるミュージカル調のオープニングで幕を開けた。魔法使いを演じる藤嶌の魔法でパジャマ姿の正源司がコスチュームへの早着替えを披露すると、再びの魔法でメンバーが姿を現し11thシングル「君はハニーデュー」へ流れるように楽曲を繋げるという冒頭のシークエンスからもう、驚きの連続であった。 続く10thシングル「Am I ready?」では花道から伸びるセンターステージにキャラクターのようなオブジェが続々と出現。センターの上村ひなのが先導するキュートなダンスにおひさまたちは早々とノックアウトだ。その後は突如として場内に演出の雨が降り出し、スポットライトには傘を持った四期生の小西夏菜実の姿。不機嫌そうな表情でステージセットの階段を練り歩く中、コミカルなリフが印象的な四期生楽曲「雨が降ったって」がパフォーマンスされた。演劇風のMVに準える形で先輩メンバーも参加し小道具を手にそれぞれの動きをするものだからもう、目がいくつあっても足りない。センターの小西も先程とは真逆の溌剌とした表情で“ジタバタしないマイペース”というオペラ調のソロパートを朗々と歌い上げた。 MCを挟んだ次のセクションでは一期生の高瀬愛奈がセンターとなり一期生楽曲の「真夜中の懺悔大会」を披露。期別楽曲ながらこちらでも期を超えたメンバーが参加し、ハットやステッキを携えての豪華なパフォーマンスの中、東村芽依が宙に放り投げたステッキを見事にキャッチ!これにはおひさま総出で拍手喝采である。 これが象徴するように、この日の演者は日向坂46のメンバーだけではなかった。二日間で訪れた90,000人ものおひさまたち(もちろん配信組も)が公演中、積極的に楽曲へ参加する場面がいくつも見受けられたのだ。四期生の期別楽曲で、MV衣装でパフォーマンスされたグループ屈指のディスコチューン「夕陽Dance」では、曲中要所に盛り込まれる合いの手コーラスを全力でシンガロング。東京ドームは“スマホでmusic 床に置いて プレイ押せばクラブになる”の通り、巨大なクラブへと一変。金村美玖がセンターで牽引する「ってか」での熱狂や、「My Fans」でメンバーが二手に分かれるダンスバトルパートにペンライトの色で反応する様や、ライブ中盤のハイライトとなった「キツネ」での全力コールなど、メンバーとおひさまは互いに激しくその情熱を交わし合っていた。