子の学力上げたい親が知るべき「運動の重要性」
コロナ禍で、子どもの運動不足や体力低下が懸念されています。基本的な運動は、野球やサッカーなどのスポーツへつながる運動能力をアップさせるのはもちろんのこと、脳の発達を促して学力の向上にもつながると、複合型スポーツ施設を運営するIWAアカデミーチーフディレクターで、トレーナーでもある木村匡宏氏は指摘します。では、どのように運動させるのがよいのでしょうか。『1日5分で運動能力と集中力が劇的アップ 5歳からの最新! キッズ・トレーニング』を上梓した木村氏が、その方法をお届けします。 【写真】気持ちよく身体を動かすために、目的を取り入れる
■人は脳だけで生きているわけではない 「運動すると頭がよくなる」 こう言われて、どれだけの人がすんなり受け入れられるでしょうか? 運動は身体を使うことであり、それで本当に頭がよくなるの? と疑問に感じる人のほうが多いかもしれません。「頭がいい人=勉強ができる人」→「勉強ができる人は脳が発達している人」。こうやって考えていくと、運動と頭のよさは無関係のように感じるからです。 しかし、人間が脳を使うのは勉強の場面に限ったことではありません。走ったり、歩いたり、ジャンプしたりと、身体を動かす時にも、人間はすべて脳からの指令を受けています。計算問題を解いたり、漢字や英単語を覚えたりすることだけが脳の働きではなく、考える、怒る、泣く、楽しむ……これらの感情の動きもすべて、脳の働きによるものです。
人間にとって脳が極めて大事であることは誰にでも理解できると思いますが、人は脳だけで生きているわけではありません。身体があっての脳であるということを覚えておく必要があります。 とくに子どもの脳は、とてつもない勢いで育とうとしています。人間の脳はバランスよく全体的に発達するのではなく、場所によって司る役割が決まっていて、それぞれが順を追って発達していきます。 まず幼児期に発達するのが、運動をコントロールする「運動野」と呼ばれる場所。その影響で小さな子どもは、とにかく走り回ったりして動きたがります。これは脳が発達するために必要なことで、子どもは動くことで自分の身体を認識して成長していきます。つまり、幼児期から運動に親しませることは、脳の発達から考えても、とても重要なことなのです。