折田楓氏より前に斎藤知事から「助けてください」と懇願された選挙コンサルタントの後悔 「こんなことなら私がやればよかった」
■選挙プランナーは「私が全部やった」なんて言わない 一連の投稿について、藤川氏はこう嘆く。 「選挙プランナーは、選挙後に『私が全部やりました』なんていう発言は絶対にしません。何か聞かれても『私はあまりお役に立てていません』と言うものです。それなのに、彼女(折田氏)は自己顕示欲が爆発し、承認欲求を満たそうとしてしまった。これが最大の失敗です。彼女は企業のPRには慣れているかもしれませんが、選挙に携わってきた人ではない。体質が違うんですよ。公職選挙法はとてもややこしくて複雑ですが、そういうことを知らないで発言していたのでしょう」 折田氏は斎藤氏の選挙カーに同乗したり、選挙期間中は斎藤氏にずっと帯同していたとされている。こうした折田氏の動きに関して、藤川氏はこう話す。 「会社の役員や取締役は特別職なので、ボランティアで選挙運動を手伝うのであれば大丈夫です。しかし、会社の従業員まで選挙運動をやって、それに対して社長が給料を払っていたら運動員の買収になってしまいます。仕事として請け負った場合、従業員がポスターを作ったり、チラシのデザインをしたりするのはOKですが、街頭演説の選挙カーの上に乗ったり、写真を撮ってSNSにアップしたりするのは選挙活動となり、グレーゾーンになってしまいます」 この点に関して、斎藤氏の代理人は会見でこう説明している。 「演説会場に社員さんがおられたことまでは確認しているが、その社員さんが何をしていたかは確認できていない。選挙運動には関わっていない」 「PR会社の社員さんが仮に選挙運動に関わっていたとして、PR会社が対価として給料を支払っていたら選挙違反にあたるかというと、それはそうだと思います」 一方、折田氏は県の重要会議のメンバーでもあり、「地域創世戦略会議」「兵庫県eスポーツ推進検討会」「次世代空モビリティひょうご会議」などで委員を務めていた。現職の県会議委員が知事選に関与し、報酬を得ていたことを問題視する声もある。 斎藤氏の代理人によると、「公職選挙法には違反していない。(折田氏は)現在も兵庫県の委員を務めていますが、県とは委託契約で、請負い契約ではありません。(報酬は)3年で約15万円」と説明するが、藤川氏はこう話す。 「彼女は行政にコネクションを持っているのでしょう。県関係の仕事に従事しながら、選挙で特定の候補を応援して報酬をもらうことは、かなりグレーだとは思います。この状況だと、誰かが告訴すれば受理せざるを得ないと思いますが、もし裁判になれば、新たな判例が出るかもしれません」