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市販コスメでリピート率7割。「サブスク+プロ美容家のアドバイス」で客を惹きつける「COSMETRO」のビジネスモデルとは

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ネットショップ担当者フォーラム

サブスクリプションモデルを取り入れた美容サービスのなかでも、異彩を放つのが「COSMETRO」だ。“売り”は新興の美容サブスクリプションサービスと同様、「診断」を元にしたパーソナライズ。加えて、メーカーではない小売店の立ち位置を生かした、プロの美容家による商品提案だ。扱うのは花王、POLAなど80社、200以上のコスメブランド。1~2万円相当のコスメ、美容家からのアドバイスをセットにして6,980円で展開する「COSMETRO」のビジネスモデルに迫る。  

「肌質」「なりたい自分像」など30分かけてカルテを作成

■ 定性・定量データ、顔写真を元にプロの美容家が商品を選定 「COSMETRO」は、プロの美容家が顧客1人ひとりに合わせて市販コスメを選定するサブスクリプションサービス。初回は2,980円(税別)、2回目以降は6,980円(税別)で以下3点を2か月に1回のペースで定期配送する。 1. 現品サイズを含むコスメ3~4点(1~2万円相当) 2. 商品を選定したポイント、顧客から提供された普段のメイク写真に対して美容家がアドバイスを送った手紙(スタイリングレター) 3. 顧客から提供された顔写真に、効果的なコスメの使い方などを書き込んだもの ユーザーは「COSMETRO」利用前にオンラインで、自身の肌質のほか、「綺麗になったらどんなことをしたいか」「今使っている商品(色番を含む)」など、約30分かけて細かい情報提供を行う。こうした定性・定量データに加え、ノーメイク写真を提供するところが、「COSMETRO」の独自性を際立たせている。  

創業者は、有名女性誌で活躍する美容ライター

■ 絶対こっちの色の方が似合うのに……。仕事を通じて感じたジレンマから起業へ 創業者は、「VERY」や「STORY」など名だたる女性誌で活躍しているファッションライターの関城玲子氏、美容ライターの立花あゆ氏、そしてマーケティング会社の代表を務める高杉一記氏。 デジタルマーケティングの知見があった高杉氏は、「Webの仕事をしているなかで、美容にインサイトがあると知り、美容ビジネスに興味を持った」という。その後、学生時代の同級生であり、仕事仲間でもあった関城氏との会話から、その思いが確信に変わった。 ┌────────── 仕事柄、読者の女性と会う機会が多く、「自分がどんなメイクが似合うのか分からない」という悩みを、立花とともに聞くことが多かった。(関城氏) └────────── また関城氏と立花氏は、読者モデルを交えた撮影現場などで「この方は、他の色の方が似合いそう。眉毛はこうした方が良いのに…」などと、もどかしさを感じる機会も多かったという。しかしそれらは関城氏と立花氏が抱く一方的な思いであり、読者モデル自身やそのほかの読者たちに届くことはない。「誌面とは異なるアプローチが必要だった」と、関城氏は振り返る。 その後関城氏は、美容ライターである立花氏の知見を生かしながらオンラインを通じて、双方向で女性の悩みに向き合っていけないかと、デジタルマーケティングに強く美容ビジネスに可能性を感じていた高杉氏と3人で「COSMETRO」を立ち上げた。 ■ 1万円以上相当の商品を約半額で届けられる理由 「COSMETRO」のサービスのなかでも、特筆すべきは価格。届く商品は1万円、なかには2万円相当の場合もあるが、顧客はそれらを6,980円(税別)で手に入れられる。しかも、プロの美容家からのアドバイス付き。一体なぜこの価格を実現できるのか? ┌────────── 近年は商品数も情報量も増え、化粧品メーカーと消費者とのタッチポイントが減っている。またイベントで商品をサンプリングしても、実際に購入に至っているのかまではわからない。メーカーは、しっかりとリピートしてくれる可能性の高い、商品と親和性の高いユーザーに直接届けたいと考えている。(関城氏) └────────── つまり、化粧品メーカーにとって「COSMETRO」はプロモーション施策の一環。そのため、型落ち品などではない正規品を協賛してもらうことができ、それをサービス価格に還元できるのだという。 また美容ライターの立花氏を中心としたプロの美容家が選定していることも、消費者がサービスを使う理由として大きい。「なぜこの商品があなたにとっていいのか」と手紙付きで紹介されるため、メーカーの宣伝文句以上の説得力があるからだ。 次の商品が届くタイミングで顧客は再度、「アフターカルテ」と呼ばれる肌診断に答える。その結果、届けた商品が肌に合っていないと美容家が判断すると、次回分は、他のメーカー商品に変更することもある。企業側は個人情報を得ない程度にユーザーインサイトを得られるので、リピート購入に至らなかったとしても、マーケティング面でのメリットがある。 ■ 飽きない美容への探究心がリピート率7割へ 現在のところ、サービスのリピート率は7割程度。だが、もしプロの美容家が選定した商品が顧客にぴったり合った場合、そこでサービスの利用をやめてしまう顧客もいるのではないか。そんな疑問を関城氏にぶつけてみた。 ┌────────── 美容の世界では、トレンドが毎年変わっていく。カラー、肌の作り込み方、質感。一度美容好きになるとトレンドに敏感になり、どんどん流行を取り入れたいと感じるようになる。また、春先と秋口では肌質が変わるなど、季節によっても自分に合う商品は変わってくる。こうした複合的な要因で、美容が好きになればなるほどサービスの継続率は高まる。(関城氏) └────────── ■ 渋谷ヒカリエとコラボし、オンライン接客サービス&リモートショッピングを展開 5月下旬には、商業施設「渋谷ヒカリエ」の美容部門、ShinQs Beautyとコラボした対面型オンラインスタイリングサービスを行った。コロナ禍でリアル店舗の営業ができない状況下での取り組みだ。 利用者は、1,000円分のチケットを購入すると、「COSMETRO」で活躍するプロの美容家から、ZOOMを通じて15分間のオンラインスタイリングを受けられる。15分の間に紹介されるのは、メークアップやスキンケアなど5点前後。 利用者は、事前に「COSMETRO」のカルテに記入。当日、美容スタイリストがその内容を基に、テスターを用いて、商品の使用感や色味などの紹介や、使い方のアドバイスを送る。提案を受けた商品の中から気に入ったものがあれば、ECサイトで決済。5,000円以上の購入で、送料無料とした。 イベントに参加したのは、20代~60代までの20名。利用者の反応も良かったことから、渋谷ShinQsとの新たな取り組み「ShinQs Beauty BOX」もスタートしている。ZOOMによる対面レッスンを含んだコスメBOXを届けるという内容だ。 「COSMETRO」のサービス自体は、今後は男性向けの展開を視野に入れるなど、内容の拡充を検討しているという。