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「自分だけ安全なんて」避難諦める飼い主も ペット受け入れ、分かれる自治体の対応

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西日本新聞

飼い主の日頃の準備も必要に

 災害時に設置される避難所で、ペット連れの避難を受け入れるかどうか長崎県の自治体の対応が分かれている。気象庁が「最大級の警戒」を呼び掛け、9月7日に県内を暴風域に巻き込んだ台風10号では県内21市町のうち9市町がペットの受け入れを断っていた。このため避難を諦め、ペットと自宅にとどまった住民も少なくなかったとみられる。 【一覧】地域ごとのペット受け入れ状況

 愛犬と家族同然に暮らす長崎市の男性(73)もその一人。自宅は斜面地にあり、雨が降り続けば土砂災害の危険性がある。台風10号では近くの避難所に避難を考えたが、ペット禁止と知り、諦めた。「自分だけ安全な場所に移るなんて考えられない」  ペットの避難を受け入れた自治体の対応も、避難所まで一緒に行くだけの「同行避難」と、その上で避難所の居住スペースでペットと飼い主が一緒に過ごす「同伴避難」に分かれる。  西日本新聞が21市町に問い合わせたところ、台風10号で「同伴」を認めていたのは大村など6市町。南島原市では犬や猫計10匹を体育館などで受け入れ、避難者がいる屋内の一角に置いたゲージに隔離した。佐世保市など6市町は「同行」にとどまった。  一方、長崎市は通常は「同行」を認めているが、台風10号では「居住スペースに入れない犬などが暴風に巻き込まれる可能性がある」(防災危機管理室)と断ったという。このため7歳のトイプードルを飼っている市内の会社員女性(57)は「犬を連れて知人の職場に避難した」と振り返る。     □   □  ペットの避難所受け入れは東日本大震災でも課題となり、環境省は2013年に「同行」を想定して災害時の飼い主や自治体の役割などを定めたガイドラインを策定。県も17年、自治体向けに「同行」マニュアルを作っている。  公民館など避難所となる施設が動物の受け入れを想定していないため難色を示す自治体もあるが「まずは同行避難が可能な施設を増やし、愛犬家などにも避難してもらう」と県。一方、今年は新型コロナウイルスの感染防止で避難者の間隔を取らなければならなかったこともあり、「同伴」は十分に広まらなかったようだ。

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