世界から観光客…タイ・ランタン祭り 人気の一方で…
日テレNEWS NNN
“死ぬまでに一度は見たい”と言われる幻想的な風景。無数のランタンが夜空に浮かびます。 タイ・北部チェンマイで毎年、11月の満月の夜に行われる「イーペン祭り」。毎年、日本をはじめ、世界各国から多くの観光客が訪れます。 24時間かけて来たブラジル人観光客 「インスタでとても有名だから!すごくきれいで、絶対に来たいと思った」 日本人観光客 「3、2、1!」 「コムローイ」と呼ばれるランタンを空に浮かべて、ブッダへの感謝を伝えることが起源で―― 日本人観光客 「何をお願いしよう?」「どうしよう?どうしよう?」 ランタンを空に浮かばせることで願いが叶うと言われています。 経済効果は2日間で90億円あまりとも言われるこのお祭りですが、実は多くの懸念点を抱えています。 お祭りの夜、市街地に行ってみると。 街中でランタンを上げる観光客の姿。 地元当局に制止されていました。 火事や飛行機の航行妨害を防ぐため、市街地でランタンをあげる事は禁止されていますが、規則を破る観光客が後を絶ちません。 実際、去年のお祭りの際には、チェンマイの市街地で大規模な火災が発生。 その現場を訪ねてみると―― 田中純平・NNNチェンマイ 「ありました、こちらですね。去年火事があったこちらの場所なんですが、現在も工事が行われています」 火災の原因は地元当局が調査中ですが、お祭りのランタンの可能性が指摘されています。 被害にあった人は―― 店が火災にあった地域の住民 「ランタンが原因です。それ以外に考えられない。当局は電気のショートを疑っていたけれど、それはない」 さらに、地元当局がランタンが原因だと認めない可能性もあると話します。 店が火災にあった地域の住民 「もし認めれば、自治体は私たちに多くの賠償金を支払うことになりますから」 人口およそ170万人の地方都市に2日間で50万人を超える観光客が集まるお祭り。 一夜明けると―― 田中純平・NNNチェンマイ 「街にはこのように多くのゴミが散乱しています」 ごみの回収はゴミ箱周辺だけでポイ捨てされたゴミはそのままです。 さらに、郊外に行ってみると―― 「ありましたね、あそこにコムローイがひっかかっていますね」 都市部のゴミは回収されるものの、山奥まで入ってのゴミの回収は難しいため、環境への影響を指摘する声も聞かれます。 世界の人々を魅了し、大きな経済効果を生む一方、地元の生活に暗いかげを落とすコムローイの光。対策が求められています。