軽ターボ車ユーザーにありがち? 頻繁なオイル交換が必要でもメンテナンスを渋る理由とは
乗用車でも軽自動車でもターボ車は早めのオイル交換が必要
ターボエンジンは、自然吸気(NA)エンジンと比べてパワーを得やすく、小排気量でも十分なパワーを得られるため、数年前から高級車でもダウンサイジングターボエンジンを搭載するモデルが増えています。 【画像】うわ、汚い… ! 不調の原因となる濁ったエンジンオイル(23枚) また、軽自動車でも660ccという限られた排気量のなかでパワーを得られることから、ターボエンジン搭載モデルをラインナップするのが定番となりつつあります。
しかし、ターボエンジンは構造上、エンジンオイルへの負荷が高く、定期的なオイル交換が必要なのですが、とくに軽自動車のターボ車のユーザーは定期的にオイルを交換しない人も多いようです。 神奈川県の整備工場を切り盛りするH整備士に聞いてみました。 「ターボエンジンのオイル交換は3000kmから6000kmの走行、または半年から1年ごとの交換が推奨されていますが、とくに軽自動車の場合、走行距離が短いということで数年間交換せずに走行し続け、故障してから整備工場に持ち込まれるケースも数多く見られます」 軽ターボ車のユーザーとしては、「一回の走行で乗る距離も時間も短いし、市街地メインで使っているからそれほどスピードも出していない」と思う人もいるようですが、それはオイルだけでなくクルマにとっても「シビアコンディション」であるといえます。 「通勤や買い物など、一回の走行距離が短いという使い方をする人も多く、短距離(目安として8km程度)の繰り返し走行が多い使用パターンは、クルマにとってシビアコンディションに該当します。 また渋滞の多い市街地などで30km/h以下の走行や、信号待ちや渋滞などでアイドリング状態が多いケースなども同様です」(H整備士) さらに、H整備士が現場で感じたことを話してくれました。 「乗用車でも軽自動車でもターボ車の場合、早めの交換を推奨しているのですが、やはり経済性を理由に軽自動車を選んだ人などは、クルマの維持にお金をあまりかけたくないという意識があるのか、数か月ごとに1、2万円の追加出費は望まない傾向があるようです」 ※ ※ ※ エンジンは燃料室に噴射された燃料を空気に混ぜて燃やすことで推進力を得ます。 そして「ターボチャージャー」などの過給機は、エンジン内により多くの空気を取り込むための装置で、空気がたくさん取り込まれればより良く燃える、つまりより大きな推進力(パワー)を得られるという役割があります。 そんなターボ車は、NAエンジンよりも頻繁にオイル交換をおこなわなければなりません。 エンジンオイルには機械部品の接触による摩耗を抑えスムーズに稼働させる「潤滑」効果だけなく、エンジンから発生した熱を循環するオイルで冷やす「冷却効果」もあります。 ターボエンジンは多くの放熱作業が必要となることからオイルへの負荷が大きくなるため、NAエンジンよりも早めの交換が必要になるわけです。