薄くて暖かいインナーの仕組みと弱点って? 冬の防寒をサイエンス視点で攻略〈ゆーまん博士の最新科学CatchUP〉
【教えて!】冬はモコモコ服しか勝たん・・・の?
冬のお洋服はセーターも羽毛ジャケットもみんなモコモコ。動きづらくて遊べないと、リカちゃんはプンプンしています。薄い服がいいと駄々をこねますが、薄い服は寒いからとママに叱られます。でもテレビで薄くても暖かいってやってたとリカちゃん。 【画像7枚】ゆーまん博士のマンガをチェック! 薄くても暖かい服って今までのモコモコ服と何が違うんでしょうか?
【ゆーまん博士が説明】暖かさの正体を見きわめて、賢く防寒!
冬服がモコモコしてるのは、空気の層を作るため。繊維の間の空気が温まるとそれだけ熱が逃げにくい……これはわかると思います。空気が熱が伝わりにくい反面、冷えにくいので、空気の層があれば外の寒さを伝えにくく、体の熱を逃がしにくいからです。羽毛や化学繊維のジャケットがモコモコしている理由ですね。 冬服、特にセーターのように肌着の上に着る服には毛糸がよく使われますが、理由をご存じでしょうか。羊毛もモコモコしているので空気を含んでいます。それも理由ですがもうひとつの理由があります。 羊毛やレーヨンなど繊維の中には湿気を吸うと発熱する種類があり、体から蒸発する汗で繊維自体が暖かくなるのです。
体から立ちのぼる「湿気むんむん」がミソ
火があるわけでもなく、むしろ湿気で濡れてしまうのに服が暖かくなるなんて不思議ですね。これには物理的な理由があります。 蒸気は水の分子がすごく活発に動いている状態です。こうした繊維は表面に蒸気が付くと、逃がさずに捕まえる機能があります。吸着と言います。 猛スピードで走っている車が急ブレーキをかけたら、タイヤが熱くなりますよね? 同じように蒸気となっている水分子が繊維に吸着され、急に運動できなくなると運動していたエネルギーが熱に変わります。これが繊維の吸湿発熱反応で、セーターを着ると暖かいもうひとつの理由なのです。 吸湿発熱反応で発生する熱は、恐らくみなさんが想像した以上です。衣料品メーカーの調査で、衣服内の湿度が40パーセントから90パーセントに上がると、ウールの場合、衣服内の温度は30度から36度まで、さらにより発熱しやすいように加工されたウールでは約38度まで上昇します。 ウールのセーターが温かいわけですね。