「黒板の文字が書き写せない」「漢字のへんやつくりが分からない」子どもたち。”読み書き”に必要な能力とは
視覚認知力や協調運動などが関係する
読み書きには「音韻認識」の弱さや「デコーディング」の弱さなども関係していますが、漢字の場合は目から得た情報の処理も重要です。 漢字の形を正確にとらえて記憶するには視覚による情報処理が必要です(視覚認知)。単に字が見えるというだけでなく、その字の形や意味、使い方なども記憶しなければなりません。 漢字を書くときにはその記憶を正確に思いだし、手指と連携させて文字を書きます。これらのプロセスにつまずきがあるとスムーズに書けなくなるのです。 ■漢字を習得するプロセスとは 漢字の場合、ひらがなに比べて形が複雑で、読み方もいろいろあるために難しさが増します。習得するには、いくつかのプロセスがあります。 長文が苦手なことには、論理的思考の弱さや語彙の少なさ、文法知識などが関係しています。例えば、作文を書くためには、自分が考えたことを整理し、順序立ててまとめることが必要です。書くことが苦手な子のなかには、こうした処理が難しい場合があります。 ■「長い文章」を書くプロセスとは 文章を書くには考えをまとめ、順序立てて内容を構成する必要があります。LDで長文を書くことが苦手な子は、こうした作業が得意ではないのです。
高橋 知音(信州大学学術研究院(教育学系)教授)