今の日本は「産み育てにくい環境」 約7割の母親が実感 約2000人を対象に「たまひよ」が調査
ベネッセコーポレーションの妊娠・出産・育児事業を展開する「たまひよ」は、2020年秋に全国の乳幼児をもつ母親約2000人を対象に、2020年春以降における生活・意識調査を実施。 同調査では、新型コロナウイルスによる影響、産前・産後での母親の不安、配偶者の育休を含めた育児環境など幅広いテーマについて母親の声を調査、分析している。 「たまひよ」では、これらの調査結果と分析を「たまひよ 妊娠・出産白書2021」としてまとめ、3回シリーズで発表した。 先日発表した第1回「新型コロナウイルス感染症の出産・育児への影響」に続き、第2回のテーマは「出産・育児をめぐる母親の意識」となる。
約7割の母親が、今の日本を「産み育てにくい環境」と感じている
現在の環境が、「出産・育児をしにくい」と感じている母親が全体で67.9%。理由としては、経済的な負担、職場環境、育児支援制度や保育施設の不足などが挙がった。
コロナ禍の出産時期や年収、年齢など、属性に関係なく、産み育てにくいと感じている。出産・育児しにくい環境ではある一方、さらに子どもをほしいと思う人も多い(76.1%)。
今よりも子どもをほしいと思わない人に理由を聞くと、経済的な負担や心身の負担が重いとの声が多かった。
周囲のサポートがある人、配偶者の職場環境がよい人のほうが、現状を「産み育てやすい」と感じ、将来的にもう1人以上子どもがほしいと考える傾向があり、今回の調査からは国の支援以外に、職場も一体となった支援を求めていることもわかったという。
「日本は産み育てやすい社会だと思わない」回答理由は以下になる。 ■子どもが泣いていると嫌な顔して見られることがある。子どもが熱で保育園から電話がかかってきた時など、職場の人に陰口を言われる ■小さな子どもを連れていると見知らぬ人に育て方について小言を言われるなど、日本では子どもに対して周囲からの理解や歓迎が受けられないと感じることがある。助けてくれたり、支援を手厚くしてとは言わないが、攻撃的になるのはやめてほしい ■男性が仕事を休みづらいこともあって、結局、母親が家事と育児の両方の負担をすごく感じていると思う ■育休取得に否定的な会社などが存在している事実が、男性であるという理由だけで父親は責任を問われることがないことを示している ■保育園になかなか入れないし、フルタイムと子育ての両立は大変だから短い時間で仕事に戻りたいが、そうすると保育園は入りにくくなり認可外にいれるしかなくなるが、今度は収入がたりなくなる ■働き方は変わっているのに育て方は変化していない。男性の育児参加は名ばかりだし、少子化対策とは言うが経済的負担は大きい。妊娠にも子育てにも理解のない職場、人が多い ■赤ちゃん連れのお母さんに嫌がらせをする人がいたり、妊婦さんに暴力を振るう人がいる。赤ちゃんの泣き声のクレームなどが多いと感じる ■出産や育児のためにキャリアを諦めなければいけない雰囲気や、女性が家事育児をするという風潮がいまだに根強いと感じる