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ドラゴンズの歴史的大惨敗をナゴヤドームで観戦した日

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CBCテレビ

試合前のナゴヤドームには喜びがあふれていた。 新型コロナウイルスの感染拡大を防止するために、開幕から続いていた無観客試合だったが、いよいよ5000人という人数限定だが、観客を入れての試合が始まった。 公式ファンクラブでチケットを購入できたので球場に駆けつけた。

観客がドームに戻ってきた

2020年7月11日土曜日のデーゲーム。中日ドラゴンズの本拠地ナゴヤドームには、 前夜に4番ダヤン・ビシエド選手がレフトスタンドへ放ったサヨナラホームランの余韻がまだ残っているようだった。 内野席の入場口に並ぶ。ソーシャルディスタンスを保つ距離。その後まず3人ずつで検温が行われた。荷物検査とチケットの確認の後、今度は手のアルコール消毒をする。ドーム内のスタンドへの通路も入り口は一つ置きになっていた。 3塁側の内野席に座る。左側は通路、右側は2つ席を空けた向こうに赤いユニホームに身を包んだ広島カープファンの男性が座っていた。

球場の“音”との新鮮な出会い

ゲームが始まった。2月に無観客での練習試合を取材して「観客はドアラだけ!ナゴヤドームで見つけた音と消えた音」というコラムを書いたが、あらためて、野球の音たちと出会った。ピッチャーが投げて、キャッチャーが受けるミットの音。球審のコールの音。両軍の選手がベンチからかける声。 しかし、無観客試合の時にはなかった、新たな音がそこに加わっていた。ファンの歓声と拍手である。本来ならば3万6000人もの観客が入るナゴヤドームだが、この日の観客数は公式発表で4962人。全体の2割にも満たない数なのだが、その淋しさが感じられないことに驚いた。トランペットなど鳴り物応援がないこともあってか、ファンの声援や拍手がドーム内にことのほか大きく響き渡るのである。 そして、この日に出会った最高の音は「自然に湧きおこる拍手」だった。

平田選手を包む温かい拍手たち

「カーン」という快音と共に、2番平田良介選手のホームランがレフトスタンド中段に飛び込んだ。素晴らしい当たりだった。前夜のサヨナラゲームでは出番のなかった背番号「6」。後輩の右打者である石川駿選手や石垣雅海選手が好機に起用されるのを目の当たりにして悔しくないはずはない。意地の一発だった。ホームランに送られた歓声もすごかったが、次の回にライトの守備に向かう平田選手に、スタンドから自然に拍手が起きる。それがドーム全体に広がっていく。これまでだと右翼席の応援団による「平田コール」に合わせての声援なのだが、ひとりひとりのファンの拍手が平田選手を包み込む。それに手を挙げて応える平田選手。なぜだろうか、客席で思わず涙ぐんでいた。少年時代に通った中日球場(現ナゴヤ球場)の懐かしい空気を思い出したのだろうか。

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