検察の立証が「法廷で崩れた」“揺さぶり虐待”裁判 家族が犠牲になった3年…「引き返す勇気を」
【母親の代理人・川上博之弁護士】 「古い出血が(慢性硬膜下血腫)と評価されていましたけど、血の塊が脳を圧迫して大きくなっていることが疑われた。(その結果)頭部の血管が引っ張られてしまい、非常に切れやすくなっている」
ここで浮上した出血(急性硬膜下血腫)の原因の一つが、母親が抱っこ紐をしたまま自転車で託児所に通っていたことでした。
【川上博之弁護士】 「本人もいくつか自分の中で思い当たることを話されていた。(小児脳神経外科の)医師にお話しすると、自転車でもなるんじゃないかと。映像見て頂いて十分にありうるという話になりました」
【母親】 「結果として子どもがケガしてしまった原因を作ったのは自分。そこはすごく後悔しているところではあります」 そして迎えた12月4日の一審判決。
大阪地裁(大寄淳裁判長)は「検察側の医師は頭の出血状況の把握が正確でなく、弁護側の脳神経外科医の証言を前提にすべき」と指摘。
「長男にはすでに古い血腫(慢性硬膜下血腫)が広範囲に存在していて、軽微な力で出血した具体的な可能性があり、揺さぶる暴行があったと認定するには疑問がある」として、母親に無罪を言い渡しました。
閉廷後、無罪言い渡しの直後から傍聴席でしばらく嗚咽を漏らし泣いていた夫と抱き合う姿がありました。
【母親(判決直後)】 「家族一丸となって頑張ってきたのでよかったなと。みんなもそういう風に思って見てくれてるというのが、安心してくれているというか、すごくうれしかったです。(SBSを疑われ続けたことの)一番の被害者は息子なので、息子のことを色々考えてやってほしかったなというのはあります」
【川上博之弁護士(判決後の記者会見)】 「いつも頼んでいる検察側にとってお願いしやすい医師ばかりの意見を聞くのではなくて、ニュートラルな立場の信頼にたる医師に広く意見を聞くことは、今後実践してもらわないといけない」
判決を受け、大阪地方検察庁は「判決内容を精査し適切に対応する」とコメントしています。