多摩動物公園で7年ぶりにニホンイヌワシの繁殖に成功 /東京
東京都日野市の多摩動物公園は、3月15日(日)にニホンイヌワシのヒナが1羽ふ化し、7年ぶりに繁殖成功したと発表した。両親が献身的に世話をしており、ヒナもすくすく育っているという。 1月31日から2月8日にかけて母親の小町(1993年生まれ)が3卵産卵し、そのうちの1卵が孵化した。小町は育雛のベテランだが、父親の望(2006年生まれ)は初めての育雛となる。この親子はフライングケージ横の猛禽繁殖棟で見ることができる。ヒナは巣台の中にいるため見えにくいが、時折巣から顔を出すことがあるそうだ。 当園では、開園当初からニホンイヌワシの飼育に取り組んできた。1998年に初めて繁殖に成功してから、これまで何度も繁殖に成功。そして近年は個体の世代交代を図り、新たなぺアの形成に取り組み、初めての繁殖となる。 当園での飼育状況(2015年4月13日現在)は、17羽(オス11羽、メス5羽、不明1羽(今回誕生した個体))。 タカ目タカ科のニホンイヌワシは、くちばしの先から尾の先端まで81~89センチメートル、翼を広げた長さは1.7~2.1メートル、体重4~5キログラム。メスの方が大型。ノウサギのような中型哺乳類のほか、ヤマドリやヘビなども捕食。動物園では馬肉などを与えている。飛行速度は速く、行動範囲も広い鳥。上空で翼を広げたまま旋回し、獲物を見つけると翼をすぼめて急降下し、鋭い爪で捕らえる。断崖の岩棚や高木の上などに枯れ枝を集めて皿形の巣を作り、2月頃に1~2個の卵を産む。ヒナは多くの場合、1羽のみが育つ。