愛車はなんと大型キャンピングカーのクレア! 女優、田中美奈子さんのキャンピングカーの楽しみ方とは
愛車はキャンピングカー!!
クルマ好きのゲストを迎え、「これまでに出会ったクルマの中で、人生を変えるような衝撃をもたらしてくれた1台」を聞く雑誌『エンジン』の人気シリーズ。今回はシリーズ初の女性のクルマ好き。子供の頃に感動した自動車旅を自分の子供にも味わって欲しい。2020年、キャンピングカーのアンバサダーに就任してから、日本全国津々浦々、家族とともにキャンピングカーで走り回っている田中美奈子さんの登場です。 【写真5枚】田中美奈子さんの愛車のキャンピングカーの詳細画像はコチラ ◆遊園地ではゴーカートへまっしぐら! 著名人に愛車の話を伺う本連載。本人が現場に登場すると、いい意味でピッと緊張感が走る人と、パアッと和やかな雰囲気になる人がいる。女優の田中美奈子さんは後者だ。連載初の女性登場だ。 撮影時も自分のスマホで音楽をかけ、ダンスをしながらポーズを取る。大変明るく、ノリのいい人である。昭和の美脚クイーン! という言葉を頭に浮かべると、それを見透かしたように「ワタシ、デビューは平成ですからね」と、笑顔で言った。 女性としては珍しく子供の頃からクルマ好きだったという。 「父がモーターショーによく連れていってくれました。遊園地のゴーカートも大好きで、園内に入るとゴーカートへまっしぐらという女の子だったんです」 現在の愛車がキャンピングカーなのも、小学生の頃の感動体験が元になっている。 「叔父がバスをキャンピングカーに作り替えたんです。それに乗って夏休みに従兄弟たちと河口湖や山中湖へ行きました。ワカサギを釣って天ぷらにしたり、焚火にあたりながら“8時だョ!全員集合”を見るのがすごく楽しかった。楽しかった思い出には、いつもキャンピングカーが一緒だった気がします」 ◆最初のクルマはかっとびスターレット 18歳になるのを待ちわびるような思いで免許を取った。 「とにかく早くクルマが欲しかったですね。ゲームセンターのドライビング・ゲームが大好きで、成績は常にトップ・クラスでした。だから、18歳になった! やっと免許取れる、行くぞ~! という感じでした」 最初に買ったのは白のトヨタ・スターレット。“かっとびスターレット”というキャッチフレーズを持つ3代目スターレットで、1.3リッター直4ターボをマニュアルでガンガン回したという。 「すごく嬉しかったです。自分のクルマが愛おしくて、ペットみたいな感覚でした」 サーキットを走ったら、筋がいいからA級ライセンスを取った方がいいと言われるほど、運転が好きだった。しかし、仕事があまりにも忙しく、それは実現しなかったという。石原プロが手掛ける刑事ドラマにレギュラー出演したのも、そんな忙しい時期だった。 「スターレットの次に乗ったのは、渡哲也さんからいただいた三菱エクリプスです。ドラマのなかでは、ガル・ウィングだったんですけど、電気系が壊れると閉じ込められるからと、普通のドアに変えてくれました。逆輸入車の左ハンドル。これもマニュアルでした」 しばらくエクリプスを楽しんでいた田中さんだが、海外で衝撃的なクルマと出会った。 「仕事でパリに行ったときに、シャンゼリゼ通りのスウォッチ・ショップで初代スマートを見たんです。このおもちゃみたいのは何? 一目惚れしちゃいました」 日本に戻ると、並行輸入業者にお願いしてリミテッド・ワンという限定車をいち早く手に入れた。 「私、クルマを買う時はテンションが上がらないとダメです。スマートは毎日わくわくしながら乗ってました。楽しくて仕方がなかったです」 ◆キャンピングカーのアンバサダーになる 結婚をして子供たちが大きくなると、自分のキャンピングカー体験を子供たちにも味わって欲しいと思うようになった。そんなとき、“自分のやりたいことを実現させる”という内容のスペシャル番組に出演することになった。田中さんは“キャンピングカーを買うぞ!”というテーマで、販売店にクルマを見に行ったり、キャンピングカーを使ったキャンプ体験をする様子などが放送された。 「それを見ていた日本RV協会の方が、私たち夫婦を公式キャンピングカー・アンバサダーに任命してくださったんです」 アンバサダー就任とともにキャンピングカー・メーカー、ナッツが手掛けたクレアというモデルに乗るようになった。 「最初のドライブは東京~九州3600km。河口湖でロケがあって、長野、名古屋、京都、神戸、広島、山口、北九州、別府温泉、湯布院、長崎、佐世保、熊本……。子供たちと家族4人で観光しながら行きました。この夏には福島、米沢、青森そして北海道をぐるっと1周したんです。基本的に車中泊です。いまRVパークが全国にありますし、オートキャンプ場もあるから便利です」 ご主人と交代しながら運転する。 「なるべく下道を走ってます。道の駅や気になるお店を発見する喜びがあるからです。そこでしか食べられないものをいただく幸せがあります。日本にはこんな素敵な場所があったんだと、毎旅発見があります。ゆっくりクルマで行かなければ、知らなかったことばかりです」 飛行機のように目的地までイッキに行かず、地べたをずっと行くのがいいのだと田中さんは言う。 「主人もアウトドアが大好き。子供たちもすごく喜んでいて、ママもう東京に住む意味ないよねって。コロナ禍でもこもったまま移動ができるし、災害時の避難所にもなる。キャンピングカーと過ごすのは本当に夢のような時間なんです」 キャンピングカーのない生活は考えられないという田中さん。愛車のクレアは相棒だと言う。 「クレアとは家族の歴史を共有しているんです。クルマという役目を担当しているだけで、家族の一員なんです。もっと大きなキャンピングカーもいいなあと思いますけど、手放せなくなってきてます」 いつかはキャンピングカーでアメリカ大陸横断旅行をしたいと思っている田中さん。いいですねえと言ったら、「一緒に行きましょうよ!」と大きな瞳を輝かせた。 文=荒井寿彦(ENGINE編集部) 写真=筒井義昭 スタイリング=多田えつ子 ヘアメイク=内山多加子 (ENGINE2021年12月号)
ENGINE編集部