イチローは異例引退会見で何を語ったか(2)「大谷は隔年で投手、打者をしてサイヤング賞と本塁打王を狙え」
――現役時代に我慢したことは? 「難しい質問。僕は我慢が苦手でできない人。楽なこと楽なことを重ねている。できること、やりたいことを重ねている。とにかく体を動かしたくて仕方がないので、体を動かすことを我慢したことはあった。それ以外は自分にとってストレスがないように行動してきた。家では妻が料理を考えて作ってくれるが、ロードに出るとなんでもいい。もうロードの食生活は無茶苦茶。我慢できないからそうなっている」 ――菊池雄星、大谷翔平ら後輩に託したいものは? 「雄星のデビューの日に、引退を迎えたのはなんかいいなと思っている。ちゃんとやれよ!という思い。短い時間だったが、すごくいい子。いろんな選手を見てきたが、左投手の先発って変わっている子が多い(笑)。天才肌の人が多いとも言えるかも。アメリカでもそう。たとえば、今回、キャンプ地から日本へ飛行機(専用機)で移動したが、ドレスコードは、黒のジャージのセットアップでOK。長旅だから楽にという配慮なんです。“じゃあ、おれたちどうする? さすがに日本に着いたときにジャージはダメだろう”と言うと、“イチローさんはどうします?” 中はTシャツだが、セットアップでジャケットは着ていくようにしようか、と話すと“じゃあ僕もそうします”。“メジャーリーガーが黒のジャージではダメだろう”と言うと、“そうですね”と答えていたのに羽田空港に着くと、それがまさかの黒のジャージ(笑)。大物だなと。何があったか、本人に聞いてはいないが、大物のスケール感がある。 翔平もスケール感は大きい。サイズ的にもメジャーに劣らない。あのサイズで、あの機敏な動きができるっていうのは、いない。世界一の選手にならなきゃいけないですよ」 ――大谷選手と対戦はしたかった? 「対戦(できなかったこと)は残念だが、僕がピッチャー、翔平がバッターでやりたかった。そこは誤解なく(笑)。投げることも打つこともやるのであれば、ワンシーズンずつ(交代で)ワンシーズンはピッチャー、次は打者で、そこでサイヤング賞と本塁打王を取ったら凄い。普通は、考えることすらできない想像をさせる。ピッチャーで20勝、打者で50本とMVPを」 (以下、イチローは何を語ったか(最終)に続く)