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脳の障害乗り越え「不惑のスクラム」出演を果たした俳優の生き方

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あこがれのパーソナリティのもとで俳優修行、それがリハビリに

 退社後は、自宅ですごす日が多くなった。家族はテレビより、ラジオを聴いてすごすことが多く、森田も自然と朝からラジオを聴いていた。そんな時、俳優の妹尾和夫がパーソナリティを務める朝の帯番組に聴き入った。4時間半の生放送を聴きながら笑う日も増えた。そして「うちの劇団で劇団員1期生を募集しますので、受けにきてください」という内容に興味を持った。  「劇団に興味はないけど、妹尾さんに会いに行きたい」という理由で応募。オーディションでは、いつも聴いてる妹尾を前にして「おしゃべりができる」という、ただそれだけの感覚で自分のことを話した。そして、事故のことや高次脳機能障害のことも明かした。すると、妹尾は「うちで俳優やりながら、リハビリすればいい」と受け入れてくれた。  芝居をやるのに「記憶ができない」という不安は多分にあった。しかし、あこがれの妹尾がラジオを通してでなく、目の前でしゃべって指導する内容はおもしろくてしかたがなかった。

演じていくうちに取り戻した感情のコントロール

 芝居の稽古も楽しかった。例えば、目の前にビールがなくてもビールがあると思って飲んだりするシーンや料理をする動作を求められる。そうした動きを繰り返し、リアリティを追求していくうちに、演じる楽しさを身につけていった。  泣いたり笑ったり、怒ったりと演じていくうちに「こうして感情をつくっていったらいいのか」と考えるようになり、それを実行していくうちに、事故後に失われていた感情のコントロールが自然とできるようになっていった。  後に劇団の本公演にも出演し、両親を招待。舞台で活躍する自分の姿を、ものすごく喜んでくれていた。そして、6年前には結婚し、2人の子どもにも恵まれた。

セリフはなくとも初の連ドラ出演、猛暑での撮影も乗り越え

 俳優の仕事を通じて、さらに視野を広め力をつけていきたいと活動の範囲を東京にも広め、3年前に劇団を退団。フリーで舞台での活動もしていたが、知人の紹介で芸能事務所を紹介され所属。そして、今年はNHK土曜ドラマ「不惑のスクラム」出演のチャンスを得た。「今回、浜田仁志という名前のついた役で連続ドラマに出演するのは初めてなんです。防衛大でラグビーをやっていた経験が生きました」  劇中でのセリフはないものの、高橋や萩原が演技をする後方で、練習をしたり泣いたり、笑ったりと、メンバーの一員として出演している。  「演じる浜田は、税務署勤めで奈良から通ってる設定なんです。本当にそういう役をいただけるだけでもうれしくて」と森田はうれしそうに語る。撮影は7月からはじまったが、森田ら大阪の出演者らは、ケガをすることなく撮影に臨むため5月からグラウンドでラグビーの練習をこなしていた。

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