鹿児島県 「グリスロ」実証 ゆったり脱炭素大自然にも優しく 環境省と天城町
【徳之島】天城町は環境省と連携して13日、移動の脱炭素化推進や国立公園の魅力向上に、電動車を活用した「グリーンスローモビリティ(グリスロ)実証事業」を始めた。14日からは運転手・ガイド付きの観光客向けのグリスロツアー実証(無料・要予約)も試みる。 グリスロは、時速20㌔未満で公道を走ることができる電動車を活用した小さな移動サービスで、環境にも優しく低速・低騒音が特徴だ。天城町は2050年を目標とする国の脱炭素社会推進に沿って今年3月、町地球温暖化対策実行計画を策定。同一環で環境省との同実証事業にも取り組むことになった。 車種はヤマハ発動機㈱製の電動(リチウムイオン電池)小型低速モビリティ公道走行仕様の7人乗り(全長3・955㍍)。奄美群島内では宇検村と龍郷町(民間)で各1台がエコツアーなどで稼働中という。 13日午後、森田弘光天城町長をはじめ町幹部や環境省徳之島管理官事務所の大谷慧・国立公園管理官らが、同町平土野市街地―観光地「陸の中の海『ウンブキ』」まで約1㌔を試乗。静かに風を感じながら豊かな足元の大自然も見つめなおした。 森田町長は「世界自然遺産の島、国立公園の島、国連世界観光機関ベストツーリズムビレッジ認定の町で脱炭素化を推進。希少動物へのストレス軽減など利点を検証したい」。同省の大谷管理官(30)も「徳之島は自動車での移動が非常に多い。全国各地の国立公園でも〝ゼロ・カーボンパーク〟化を推進中。観光と環境負荷を両立させる面からもグリスロは有効と思う」と話した。 グリスロツアーの実施期間とルートは▽14・15・16日の午前10時、午後2時頃=徳之島空港発着~ウンブキ~犬の門蓋(約1時間半)▽22日は午後6時と7時、同町当部「あがりまた」発着~アマミノクロウサギ観察小屋で実施する。各ツアーとも1回の定員は5人まで。 申し込み・問い合わせは同町企画財政課(電話0997・85・5178)