女子ゴルフ新スターの渋野日向子は2020年にセカンドインパクトを残せるのか?その東京五輪金メダル奪取計画とは?
メダル取りを目指す五輪までのスケジュールも固まってきた。地元の岡山で正月休みを過ごし、まず国内で始動。今月中旬には月末で契約が切れる「RSK山陽放送」に代わる新しい所属先となることが決まった「サントリー」とのお披露目会見にも出席する。「サントリー」は女子ゴルフ界のパイオニア、宮里藍(34)がかつて所属していた一流企業で、その金額は億を超えると推測されている。 「サントリーさんは、選りすぐりのアスリートしか応援しない。そのかわり成績が悪くなったからといって途中で降板するようなことはなく、ほぼ永久的にサポートする。しかも、サントリーさんは、いろんな行事に連れまわすようなことをしないからゴルフに集中できる。渋野が結果を出すには最高の環境を手に入れたことになるだろう」 関係者は、サントリーとの契約も渋野の五輪出場に大きな追い風だと証言する。 その後はタイで合宿を行い、課題とするグリーン周りや100ヤード以内のアプローチの精度アップに努める。 2月上旬に帰国して国内で調整後、再びタイに向かい、今季初戦となる米ツアー「ホンダLPGAタイランド」(2月20―23日、サイアムCC )に主催者推薦で出場する。 その翌週は、シンガポールでの米ツアー「HSBC女子チャンピオンズ」(2月27-3月1日、セントーサGC)に出場。「世界ランキングを維持、上げるためには一試合も無駄にできない」と覚悟を決めて臨むシーズンが始まる。 シンガポールから帰国後は休む間もなく国内ツアー開幕戦「ダイキンオーキッドレディス」(3月5―8日、沖縄・琉球GC)に出場する。開幕2戦目は休養にあてる可能性が高く、ホステス大会となる「Tポイント×ENEOS」(3月20―22日、鹿児島高牧CC)から2試合は国内ツアーに出場。「アクサレディス」(3月27―29日、宮崎・UMKCC)後に渡米し、「ANAインスピレーション」(4月2―5日 、米・カリフォルニア州ランチョ・ミラージュ、ミッションヒルズCC)で全英以来となる海外メジャーに挑む方向だ。 全英優勝で出場権を得た今季の海外メジャーはすべて出場予定で、五輪代表決定前には「全米女子オープン」(6月4―7日、米・テキサス州チャンピオンズGC)と「全米女子プロ 」が控える。世界ランキングは各大会ごとの成績をポイントに換算して決まるが、その配分が高くなる米ツアーにも主催者推薦で出場する方向で日程を調整している。現時点で有力なのは「全米女子オープン」の前週に行われる「ショップライトLPGAクラシック」(5月29-31日、米・ニュージャージー州シービュー・ア・ドルチェホテルBC)。2010年には宮里藍が優勝したことでも知られる大会だが、時差ぼけなどを解消し、コンディションを整えて「全米女子オープン」に臨むための前哨戦となる。
「五輪で金メダルを取るとかなりの影響を与えると思う。ゴルフは今、競技人口が減っている。ジュニアの大会も出場者が自分たちのころと比べても減っている。自分たちの世代に大きな影響を与えた宮里藍さんのように結果を出すことによって、いろんな人にゴルフを知ってもらえるし、私に憧れて始めましたと言ってもらいたい。そういう選手になりたい」 大きな目標を掲げて挑む東京五輪。代表が決まる6月末までの半年をいかに過ごし、結果を出すかで全英を超えるための“セカンドインパクト”の成否が決まる。