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気づいて!病気や障害の子の隣 寂しさ我慢している「きょうだい児」

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子どもが重い病気にかかったら、親はすべてを犠牲にして子どもに付き添い、看病にあたる。その傍らに、寂しい気持ちを封じ込め、けなげに日常を送る子どもたちがいることを、ご存じだろうか。  「きょうだい」または「きょうだい児」と呼ばれる、病気や障害のある子どもの兄弟・姉妹たち。  きょうだいの居場所や心のケアの必要性に、近年ようやくスポットが当たり、様々な団体が支援活動を行っている。横浜市南区の患者・家族滞在施設「リラのいえ」(運営:認定NPO法人スマイルオブキッズ)できょうだい支援に携わる筆者が、支援の現状と課題を報告する。

患者家族をサポートする施設で『きょうだい児』を預かる

 リラのいえは、神奈川県立こども医療センターに向かう坂道の途中にある。入り口にはボランティアが手入れする色とりどりの花が咲き、家族を温かく迎えている。木のぬくもりを感じる平屋の建物の一角に、「きょうだい児保育室」がある。  25畳ほどの広々とした部屋には、寄付いただいたおもちゃがずらりと並んでいる。初めての利用で不安な気持ちのきょうだい児も、たくさんのおもちゃに目が輝く。  きょうだい児は感染予防のため、病室や診療室に入れないことが多い。親が病気の子どもに付き添う間、寂しさを少しでも紛らせて安全に待つことが出来るようにと、スマイルオブキッズが2009年に保育を始めた。乳幼児の利用が多いが、夏休みなどは小学生の元気な声も響く。2019年度は公益財団法人小林製薬青い鳥財団と公益財団法人原田積善会の助成を受けて、1時間500円の保育料を300円に引き下げることができた。

きょうだいのやりたいことを、かなえてくれるリラのいえ

 利用者の母、永吉野乃美さんにお話をうかがった。  現在2歳になる第3子、冬麿(とうま)君がおなかの中にいる時に心臓の病気が見つかった。生まれたその日に手術を受け、長期に及ぶ闘病に備えて病院の近くに引っ越した。入退院を繰り返しながら、これまでに13回のカテーテル手術を受けた。入院中、きょうだいの美優(みゆ)ちゃん(6歳)と結絃(ゆいと)君(4歳)は、祖父母が自宅で面倒を見るか、幼稚園とリラのいえを併用している。  「幼稚園のお迎えに行くと、お友達は園庭に残って遊びますが、うちは早く帰らないといけません。美優が、『お友達が家族で旅行に行ったんだって~』と、うらやましそうに話すこともあります。我慢も多いので、やりたいことをかなえてくれるリラのいえがあって、本当に良かったです」  三姉弟の子育てと看病に追われる目まぐるしい毎日だが、意外にも、「祖父母や幼稚園の先生、リラのいえの保育士さんたちがしっかり見てくれるから、そんなに大変だと思ってないです」と野乃美さんは言う。手厚いサポートを受けられていることが、永吉家が一丸となって冬磨君の病気に立ち向かう原動力になっているようだ。

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