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赤ちゃんの「おぎゃー」が生け花に?映像で産声を表現、京大と町の産婦人科がコラボ きっかけは芸人の一言

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赤ちゃんが産まれた時の声を「生け花」で表現し、記念にしよう――。面白そうだけど、どういうこと? という企画が京都で始まりました。8月の発表の場をのぞきました。(朝日新聞編集委員・藤田直央) 【動画】産声から生け花アートってどういうこと? これを見れば納得、赤ちゃんの「おぎゃー」を映像で表現

きっかけは芸人のひとこと

仕掛けたのはアーティストの土佐尚子さん。音の振動を液体に伝え、飛び散る様子を生け花のように表現する”sound of ikebana”の作者です。いまは京都大学の大学院で「アートイノベーション産学共同講座」の特定教授をしており、今回の企画はその活動から生まれました。 京大での発表記者会見で、土佐さんが説明しました。民放のバラエティー番組でsound of ikebanaを紹介したのがきっかけで、「芸人さんに『赤ちゃんの産声でやるといいんじゃない?』と言われ、知り合いの小児科医のお孫さんの声でやってみました」。 その話が京都市の足立病院に持ち込まれます。街中にある、産婦人科で知られる病院です。会見に同席した理事長の畑山博さんが話します。

「世界でひとつだけの産声の生け花」

「その小児科医の先生から『自分の孫のsound of ikebanaがすごくいいから、(足立病院に)生まれた赤ちゃんたくさんいるからやらへん?』と。それで見たら、すごくいいんですよね」 仕組みですが、まず高出力スピーカーの上に膜を張り、絵の具などを混ぜた粘性のある液体をためます。録音された赤ちゃんの声をスピーカーで再現すると振動で液体が飛び散ります。それをハイスピードカメラで撮ると、生け花が立ち上がるような映像が得られるというわけです。 赤ちゃんひとりひとりの泣き声に反応し、様々な色彩と形の「生け花」が現れます。そこでこの企画は「世界でひとつだけの産声の生け花」と銘打たれたのですが、関わった人たちが改めて感じたのは、むしろ産声そのものの力強さでした。 「『生まれてきた! ここにいる!』という声にものすごくエネルギーをもらい、幸せな気持ちになります」(土佐さん) 「実際出産に立ち会うと、赤ちゃんの泣き声と、それに感動するお母さんの姿に癒やされます」(足立病院院長の沢田守男さん) 今後はいろいろな展開が予定されています。足立病院ではこの秋から、希望する家族に赤ちゃん誕生の動画と組み合わせたsound of ikebanaを有料で提供。東京の凸版印刷と協力しアートな記念写真として商品化もします。

ニューヨークでの展示も

土佐さんは足立病院の協力で赤ちゃんたちの作品をつくり、国内外で展示します。自身の作品展示でゆかりのあるMoMA(ニューヨーク近代美術館)でのオンライン展覧会も準備中だそうです。 今はコロナ禍で医療機関はどこも大変ですが、そんな時だからこそと足立病院はこの企画に前向きです。院長の沢田さんは「赤ちゃんの産声や、かわいいしぐさといった原点が世の中に浸透していけば、本当の少子化対策になるんじゃないか」と考えます。 理事長の畑山さんは「生まれた彼や彼女が成長して、人生でつまづくこともあるでしょう。その時に自分の産声と『生け花』に戻って、エネルギーを取り戻してほしいですね」と話しました。

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