チョコレートの米ハーシー、モンデリーズが買収を模索-関係者
(ブルームバーグ): 米製菓大手モンデリーズ・インターナショナルが、チョコレートメーカーの米ハーシー買収を検討していると、事情に詳しい複数の関係者が明らかにした。買収が成立すれば、売上高が合わせて500億ドル(約7兆5500億円)に近い巨大食品企業が誕生する。
シカゴに本社を置くモンデリーズは、統合の可能性について予備的な打診を行ったと、関係者は匿名を条件に話した。
9日の米株式市場でハーシーの株価は一時19%高。日中ベースで約8年ぶりの大幅上昇となった。ニューヨーク時間午後0時49分現在では約14%高で、時価総額は400億ドル。モンデリーズは2%下げており、時価総額は約820億ドル。
モンデリーズは2016年にもハーシーの買収を目指したことがあるが、当時は230億ドルでの買収提案がハーシーに拒否され、交渉から退いていた。
ブルームバーグのデータによると、ペンシルベニア州に本社を置くハーシーの企業価値は債務も含め約450億ドル。統合が実現すれば、今年最大の合併・買収(M&A)であるスナック菓子メーカーのマースによる360億ドル弱でのケラノバ買収を上回る規模になる。
いかなる取引もハーシーの経営権を握る信託「ハーシー・トラスト」の支持が必要になる。ハーシー・トラストは同社のクラスB株ほぼ全てを保有し、同社議決権の約80%を有している。同信託は保有資産の分散化を図るため、ハーシー株の一部売却を徐々に進めてきた。ハーシー・トラストが買収を支持すれば、他の企業からも同社買収に関心が寄せられる可能性があると、関係者らは語った。
CFRAリサーチのアナリスト、アルン・スンダラム氏は、ネスレといった世界的なスナック菓子大手が買い手候補になり得るとの見方を示した。
関係者によれば、協議は初期段階にあり、合意につながるという確実性はない。モンデリーズの担当者はコメントを控えた。ハーシーの担当者は市場のうわさについてはコメントしないと述べた。ハーシー・トラストの広報担当者からはまだ返答が得られていない。