しょうゆの代わりに使われる「ココナッツアミノ」。健康効果の意外な真相
豆類がNGのパレオダイエットでは、しょうゆの代わりにココナッツアミノが使用されることも。ココナッツアミノを使えば塩分を抑えることができる……という話を聞くと、気になる人も多いはず。 でも、そもそもココナッツアミノってなに? うわさの健康メリットは本当なの? その真相を検証してみた!
ココナッツアミノとは?
ココナッツアミノは、ココナッツの樹液と塩を発酵させて作られる調味料のこと。料理に加えたらトロピカル感が出そうな名前だけど、実際ココナッツの味は一切しないそう。 薄口しょうゆに似ているというココナッツアミノの味は、普通のしょうゆ(大豆から作られる発酵食品)よりもあっさりしていて、色も薄く、ほんのりとした甘さがある。 研究機関「グッド・ハウスキーピング・インスティチュート」の登録栄養士であるステファニー・サッソスさんいわく、「料理でしょうゆのような働きをしてくれる」とのこと。
ココナッツアミノはしょうゆよりも体に良いの?
ココナッツアミノには大豆、小麦、グルテンが含まれていない。そのためこれらを避けている人にとって、ココナッツアミノはしょうゆの代用品としてぴったりだ。 塩分に関しては、しょうゆはミネラルの含有量が非常に高い(大さじ1杯で1000mg以上、1日の摂取量の42%に相当)。いっぽうココナッツアミノは大さじ1杯あたり270mgなので、ミネラルの量でいえば、しょうゆのほうが高い。 ただし、かかりつけの医者から塩分を控えるよう言われている人には、ココナッツアミノがベター。「料理にしょうゆを使えば、間違いなく塩分は増えます」とサッソスさん。
ココナッツアミノに健康効果はあるの?
ココナッツアミノがもつ主な栄養メリットは、余分な栄養素を加えることなく、体が必要としないものを避けられること。これ以外にインターネットで紹介されている健康情報で、科学的に証明されているものはないそう。 ココナッツアミノの驚くべき健康効果に関するうわさ(心臓病のリスク軽減、血糖値の低下、ダイエットに効くなど)はどれも、ココナッツの樹液と生ココナッツの健康効果に基づくもの。 しかしココナッツアミノはココナッツの樹液を発酵させたものなので、健康の向上をもたらすという明らかな証拠は今のところ存在しない。さらにそれらを科学的に証明するには、ココナッツアミノをたくさん飲んで、変化を示さないといけない。(塩分の過剰摂取になるだけ!) つまりココナッツアミノは、小麦、グルテン、大豆の摂取を避けている人や、減塩を心がけているいる人には理にかなっている。けれどそれ以外の人は、魔法のようなすばらしい健康効果は期待しないのがベスト。 たとえば、ココナッツアミノは “カリウムが豊富” と言われることがあるけれど、小さじ1杯あたりの量はわずか16mg。バナナ(422 mg)またはアボカド(約 1000mg)と比べると、ココナッツアミノの16mgがちっぽけに見えるはず。