「韓国財政の悪循環は深刻」…総収入・支出増加率が経済規模30位圏中最低
韓国政府の総収入と総支出の増加率が、経済規模が上位30位圏内の国の中で最低の水準だった。昨年の対外環境の悪化によって景気後退の危機感が高まる中で、政府が本来の役割を果たせていなかったことが数値であらわになったかたちだ。 国会企画財政委員会に所属するイム・グァンヒョン議員(共に民主党)が10日に韓国銀行から提出を受けた国際通貨基金(IMF)の財政モニター資料を確認すると、昨年の韓国政府(地方自治体を除く)の総収入は前年に比べ8.8%減少。その増加率は経済規模が上位30位圏内の国の中で最低だ。韓国の総収入増加率は2021年には20.6%にのぼったが、2022年には9.4%に低下。昨年は逆に大幅に減少へと転じたわけだ。昨年の企業の業績不振で法人税などの各種税収が急減し、歳入に56兆ウォンの税収欠損が発生したことが大きく影響した。 今年の見通しも明るくはない。今年の韓国の総収入増加率の暫定値は4.8%だ。総支出の増加率が100%を超えるアルゼンチン、トルコを除いた28カ国の平均の5.1%にも届かない水準だ。尹錫悦(ユン・ソクヨル)政権が施行した相次ぐ減税政策によって、財政政策の基盤が少しずつ崩れつつあるわけだ。 総支出の増加率も最低水準だった。昨年の総支出は前年に比べ10.2%減少。総支出増加率は経済規模上位30カ国の中で最低だった。韓国を除くと、総支出が減少したのはタイ(-1.7%)が唯一。残りの28カ国はすべて、総支出が前年に比べ増加した。コロナ対応予算が縮小されたうえ、過去最大級の税収欠損で地方交付税が減額されたこと、執行されなかった予算が多かったことが影響した。 イム議員は「財政運用の基盤となる総収入が減少するとともに、財政支出も減るなど、国家財政の悪循環は深刻な水準」だと述べた。 アン・テホ記者 (お問い合わせ japan@hani.co.kr )