“聖地巡礼”八丈島で観光客急増 興行収入100億円超え“コナン効果”で…
東京都の離島、八丈島で観光客が急増し、例年より速いペースで夏休みの予約まで埋まり始めているといいます。いったい何が起きているのか、八丈島を取材しました。 ◇ 太平洋に浮かぶ離島、八丈島。島民はここ最近、不思議な光景を目にしているようです。 八丈島の住民(20代) 「例年見ないところに人がいたから、なんでかな?と。観光スポットっていうわけではないので」 八丈島の住民(60代) 「(観光スポットとは)関係なく、ちょっと海岸線にバラバラバラっていう感じで」 実際、島には11日にも道ばたで写真を撮ったかと思いきや、崖へ向かった女性がいました。そのワケは… コナンファン 「コナン君を感じる旅です」 ◇ 4月に公開となった「名探偵コナン 黒鉄の魚影」。公開から1か月もたたないうちに、すでに興行収入は100億円を超え、これまでのコナン映画の中で、歴代1位の大ヒットとなっています。 今回、映画の舞台となったのが「八丈島」なのです。実際、映画を見た人の中にも… 映画を見た人 「リアルに描かれていたので、八丈島、また行ってみたいなと思いました」 映画を見た人 「機会があれば聖地巡礼とか行ってみたいなと思います」 11日にその“聖地巡礼”に訪れた男性は、今回の映画はすでに6回も鑑賞していました。男性が向かったのは海を一望できるベンチです。 映画を6回鑑賞・コナンファン 「ここですね、映画の中で出てきたの」 今回の映画の重要な場面で出てくるベンチに似ていると、ファンの間で話題になっています。男性はグッズを取り出すと、ベンチと共にカメラに収めました。 映画を6回鑑賞・コナンファン 「めちゃ興奮してる感じですね。コナンと哀ちゃんがそばにいるって感じがします」 映画に登場するホテルを思わせるとファンの間で話題となっているのは、「リードパークリゾート八丈島」です。 リードパークリゾート八丈島 歌川真哉支配人 「HPのアクセス数が例年の倍ぐらい。明らかにうちのホテルを探して見ている人が多いのかなと」 ホテルでは八丈島の郷土料理、島寿司や明日葉の天ぷらも提供していますが、これも映画に登場していて、映画にも出てくる郷土料理を食べたいという問い合わせも増えているといいます。 これから迎える夏休みの予約も例年と比べて2~3割増加、埋まるスピードも速くなっているといいます。 リードパークリゾート八丈島 歌川真哉支配人 「コロナで非常に大変な思いしましたけど、コナン効果で一気に取り戻せるかと思います」 八丈島で巻き起こる”コナンブーム”。当の住民たちはもちろん盛り上がっているのかと思いきや… 島民 「島には映画館ないんですよ。私も見てないんで」 映画館がないため、まだ映画を見ていないという住民も多い様子です。中には… 島民 「コナンくんってなに?わかんない」 ――「名探偵コナン」 「知らない」 八丈島の観光協会は、今回の映画を見て観光客が増えることを期待しているということです。 ◇ 絶大な“コナン効果”が生まれている自治体が、コナンの原作者、青山剛昌さんの出身地、鳥取県の北栄町です。 北栄町役場・観光交流課 松本裕実課長 「名探偵コナンの劇場版がヒットするごとに北栄町や青山剛昌ふるさと館へのお客さんは年々伸びてきています」 コナンをきっかけに町の知名度が年々高まっていったという北栄町。町のふるさと納税額にも劇的な変化があったといいます。620万円ほどだった納税額は、この10年で約130倍の8億円超えになりました。 ◆北栄町のふるさと納税 2012年度 618万7000円 2022年度 8億972万6000円 今回の映画の効果にも期待が高まっているといいます。 巻き起こる”コナン旋風”。ますます広がりを見せそうです。