新しい「ノア」「ヴォクシー」はココがスゴい!トヨタ初が目白押しの先進の飛び道具が満載
トヨタのミッドサイズミニバン「ノア」と「ヴォクシー」が8年ぶりにフルモデルチェンジを果たした。 【エクステリアなどすべての写真を見る(全22枚)】 注目の新型は、あらゆる装備にトヨタの最新フェーズが導入された意欲作。今回は、走りをつかさどるプラットフォームやパワートレーン、そして先進安全装備などにフォーカスする。
飛び道具的アイテムをトヨタ車として初めて採用
日本のミニバンマーケットにおいて最大のボリュームゾーンとなる“Mクラスハイト系ミニバン”。そのトップセラーであるトヨタのノアとヴォクシーが新型へと生まれ変わったのだが、その中身は知れば知るほど驚きが満載だ。「このクラスで?」とか「そんなことまで盛り込んだの?」と衝撃を受けるほどの進化を遂げている。 その代表例といえるのが、車外からのスマホ操作による駐車&車庫出し機能や、高速道路の渋滞時(40km/h以下)にハンドルから手を放して運転できる“半自動運転”ともいえる仕掛け。前者はレクサスの新型「NX」に採用例があるものの、トヨタブランドとしては採用第1号。後者は、周囲の状況確認のための高度なセンサーや高精度地図を使わない普及タイプとしては、まだレクサスにも採用例がない。 そういった先進機能は高級車から採用されるのが一般的で、トヨタのミニバンでいえば「アルファード」から、というのなら分かる。しかし、そんな飛び道具的アイテムをノアとヴォクシーにトヨタ初採用としてきたことに、まず驚かされるのだ。 しかし、大きく進化したのはそうした先進装備だけにとどまらない。新しいノアとヴォクシーはプラットフォームもパワートレーンも新設計されており、クルマとしての伸び代もかなり大きい。今回はまず、そこからチェックしていこう。
プラットフォームと心臓部は全面的に刷新
車体の骨格となるプラットフォームは、“GA-C”と呼ばれる現行型「プリウス」でデビューしたものをミニバン用に最適化している。 従来のノアとヴォクシーは、デビュー時に新規プラットフォームを採用したものの、そのリアフロアの一部は先々代から継承されたものであり、全面刷新されるのは「ノアがデビューしてから初めて」という。これにより、走りのポテンシャルが大きく高まっているのはいうまでもない。今から試乗するのが楽しみだ。 走りといえば、パワートレーンも世代交代となった。2リッターのガソリンエンジンと1.8リッターエンジンにモーターをプラスしたハイブリッドというラインナップは従来モデルと変わらないが、どちらも最新フェーズのものが採用されている。 2リッターガソリンエンジンは“ダイナミックフォース”と呼ばれるトヨタの最新世代で、新しいノアとヴォクシーは“2ZR-FXE”型を搭載。組み合わされるCVTも“ダイレクトシフトCVT”と呼ばれる最新タイプに進化した。これらは現行の「RAV4」や「ハリアー」にも搭載されるもので、燃焼効率に優れることで燃費を高めつつ、アクセル操作に対する反応などドライバビリティに優れるのも特徴だ。 ガソリンエンジンも進化が著しいが、やはり新しいノアとヴォクシーで注目したいのはハイブリッドだろう。 1.8リッターエンジンを核としたハイブリッドシステムといえば、「プリウスと同じユニットね」と思うのが自然な反応だろう。しかし、そうではない。 開発者いわく「ユニット自体はバッテリー、パワーコントロールユニット、そしてモーターを含めたトランスアクスルが最新設計となり、“エンジン以外は全面刷新”といえる新世代タイプを用意した」という。 セルの置き方を変えたバッテリーは、従来比30%の小型化を図りつつ出力は15%向上(つまり密度が高い)、トランスアクスルは、15%の軽量化とダウンサイズを図りつつモーター出力は16%アップ、そしてパワーコントロールユニットは、29%も損失を低減した。こうして並ぶ数字を見ただけでも、この最新ユニットがハード的に格段の進化を遂げていることが理解できる。 現行プリウスの登場時に“第4世代”と呼ばれたトヨタのハイブリッドシステムは、ドライバビリティが大きく進化した現行の「ヤリス ハイブリッド」や同「アクア」で通称“4.5世代”へと進化した。しかし、新しいノアとヴォクシーで“第5世代”になったと聞けば、システム全体がいかに大きく進化しているかイメージできるのではないだろうか。 加速力はもちろん、アクセルペダルの踏み込みに対する反応といったドライバビリティも高まっている。