賞金王争い首位・平田憲聖、復調19位→10位浮上 逆転賞金王狙う石川遼はスコア伸ばせず25位【男子ゴルフ】
◇29日 男子ゴルフ最終戦 日本シリーズJT杯第2日(東京都稲城市、東京よみうりCC) 首位発進した中島啓太(24)が66をマークし、3季ぶりの優勝へ65で回った片岡尚之(26)=CSテクノロジーズ=とともに通算9アンダーでトップに並んだ。6人による賞金王争いは、賞金ランク1位の平田憲聖(24)=エレコム=が66と復調し、通算2アンダーで19位から10位に浮上。同2位の金谷拓実(26)=ヨギボー=は65で通算4アンダーの4位に上がり、激しさを増してきた。 平田が調子を取り戻してきた。4バーディー、ボギーなしの66。フェアウエーをとらえたのが、前日の4ホールから12ホールに大幅アップした。5番でグリーン奥からの厳しい局面をパーで収め、「これで流れが変わった」という。6番はグリーン右横ラフ、腰の高さほどの段差下から、絶妙なアプローチショットで30センチに寄せ、初バーディーに。8番パー3はピン上4メートルに乗せて、前半で2つ伸ばした。 後半も2バーディーを決めた後、ハイライトは最難関の18番パー3。第1打を左ラフに打ち込んだ。急激な下り傾斜のグリーンを前に、「ダブルボギーも覚悟した」。だが、そこから柔らかいタッチで2メートルに寄せ、パーセーブ。この日一番の笑顔になった。 プロ3季目で初めて賞金王を争う重圧からか、今季4勝していた勢いが秋に入ると失速、精密機械のようだったショットの精度がなくなった。本人も前週、「メンタル面が…」と何度も苦しさを口にした。だが、最大の勝負どころに来て、「ショットもパットもいい感じになってきた。ストレスなくプレーできた」。口調も明るさを取り戻した。 一方、賞金ランク6位の石川遼(33)=カシオ=は70と伸ばせず、通算3オーバーで25位、首位まで12打差と開いた。賞金王へは優勝するしかなく、逆転は絶望的。「昨日から引きずっている部分もあって、難しい日だった。実力があれば、ここから巻き返せると思う。自分自身を試す気持ち。執念をどれくらい持てるか、自分との闘い」と話した。 ランク4位の岩田寛(43)は3つ伸ばし、通算3アンダーで7位に上げた。だが「不思議と(その気は)ない。(他の)みんなでやった方が盛り上がるから、その方がいいと思います」と、独特の調子で語った。
中日スポーツ