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ケンカ上等!? ”戦う自治体”泉佐野市、ふるさと納税で関空橋利用税に続き国との争いに勝つ

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財政的に地獄を見た泉佐野市

ただし泉佐野市も、懐事情を考えると強気に出ざるを得ない理由があったのです。 関空開設の際、関空の対岸で“りんくうタウン”と名付けられた都市開発が行われました。りんくうタウンは当初こそ大手企業の進出もありましたが、その後は撤退が相次ぎ開発を主導した大阪府の第三セクターは2005年に経営破綻しています。 泉佐野市はりんくうタウンの開発に相当額を投じた結果、財政状態が大幅に悪化し、平成20年度(2008年度)決算で財政健全化団体に転落しました(財政健全化団体としては北海道の夕張市が知られています)。 その後財政再建に取り組み、平成25年度(2013年度)決算で財政健全化団体からの脱却を果たしています。上述のように、関空橋利用税の徴収開始は2013年3月であり、利用税は同市の財政再建に一役買う形となっています。 ちなみに、泉佐野市は2012年3月に市の名前の命名権(ネーミングライツ)を売り出したことでも話題になりました。結果的に市の命名権への応募はありませんでしたが、市施設のネーミングライツは地元企業を巻き込む形で複数採用されています。 このように、財政健全化団体への転落経験からくる危機感が、”節度を欠く”と最高裁に言わせるほどの寄付金集めを行った原動力になったのではないでしょうか。

おわりに

泉佐野市はふるさと納税を巡る裁判だけではなく、関空橋の利用税を巡っても自説を国に対し押し通しており、国を相手にした争いで連勝している国内でも希有な自治体です。 ただし、ふるさと納税裁判は勝訴したものの、返戻品については「やりすぎ」という批判も受けています。泉佐野市はふるさと納税制度への復帰後、どのような返礼品を用意するのか、その判断が注目されます。 【参考資料】 「ふるさと納税の寄付額、最高5127億円 泉佐野がトップ」(日本経済新聞、2019年8月2日付) 「2005年(平成17年)4月度こうして倒産した・・・」(東京商工リサーチ) 「大阪府泉佐野市:財政健全化団体からの脱却」(月刊『地方財務』2015年5月号掲載、キヤノングローバル戦略研究所 主任研究員・税理士 柏木恵)

市場 夏知

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