【僕らの永久定番名品ファイル】今さら聞けないクラークス「ワラビー」の歴史とデザイン
時代を超えて愛され続ける “定番”アイテムには、完成されたデザインとしての魅力が詰まっている。ここでは、そんな永久定番名品のディテールから歴史までを深掘り。カジュアルレザーシューズを代表するクラークスのワラビー。第2のデザートブーツとして、世の中に登場した! 【画像Gallery】クラークス・ワラビーの名品・最新アイテム&着こなしをもっと見る
クラークス オリジナルズ ワラビー
クラークスは1825年にイギリス南西部で、サイラス&ジェームス・クラーク兄弟が立ち上げた。その後はアイデアシューズや靴専用ミシンを開発するなどして会社を大きくし、1950年に発表したデザートブーツの大ヒットで世界的なブランドに。
クラークス ワラビーの歴史
クレープソールシューズの第2弾として登場。1980年代には日本でも大ヒットの実績あり! クラークスのワラビーについて語るとき、まずはデザートブーツについて言及しておく必要がある。クラークスの創業は1825年と英国シューズ業界の中でもかなり古い。ボア付きのシープスキンスリッパを発案してヒットを飛ばすと、世界に先駆けて靴専用のミシンを開発。さらにソールカットマシンを発明するなど、リーディングカンパニーとして実績を伸ばしていく。 「足の健康」を優先したオリジナルの木型作りを打ち出し、1913年には防水加工の革靴を商品化するなど先鋭的なブランドだった。そんな会社だったからこそ、クレープソールのデザートブーツを生み出すことができたのだろう。
クラークスの4代目に当たるネーサン・クラークは第2次世界大戦の服役中に、ビルマでスエードとゴムソールのブーツに出会った。砂漠地帯に駐屯する南アフリカ師団のアイデアによる、やわらかくて履きやすいこのブーツに大感銘。終戦後、クラークス流に形にしたのがデザートブーツだった。 日常靴としてはドレスシューズか作業靴という選択肢しかなかった時代に、デザートブーツは斬新すぎた。社内では「変な靴」と評価されたが、ネーサンは海外に目を向け、アメリカ・シカゴの展示会にデザートブーツを出品。当時影響力のあったファッション誌『エスクァイア』の編集者の目に留まり、誌面で紹介されると瞬く間にヒット。1960年代にはモッズ御用達シューズとしても一世を風靡した。