コロナで借金デビューする人たち。スマホで借りられる手軽さが盲点に
新型コロナによる収入減が家計を直撃し、借金で生活を支えざるを得ない人が増えている。これまで借金とは無縁だった人まで、借金に手を出し始めているのだ。一体どんな人たちがコロナ禍を借金でしのいでいるのか? 専門家に聞いた。 ⇒【グラフ】200人に聞いた、コロナ流行後に借りた額の詳細
「コロナ禍で借金を背負う」人たちの特徴は?
新型コロナによって借金苦に陥るのはどのような人たちなのか。 SPA!が行った新型コロナ流行後に借金をした人へのアンケート結果では、「コロナ流行後の借入額」は半数以上が30万~100万円と答えた。何百万円もの借金ではなくとも、収入が減った分や急な出費を借金で補てんした人が多い印象だ。 実際、過去5000件以上の債務整理を手がけてきた「ひまわり司法書士法人」の本松紳司氏のところにも、「コロナをきっかけに借金が返せなくなった」という声が多く寄せられているという。 「リストラされて借金が返せなくなってしまった人や、残業代やボーナスがカットされて借金頼みの生活になってしまった人など、全体の6割ほどはコロナが原因で返済苦に陥ったという相談です。 皆さん複数の金融機関を利用していて、借入額は平均で300万円ほど。車や家のローンがあると『手取り25万円のうち返済額が23万円超』という方もいて、そうなってしまってはもはや自己破産を考えないといけません」
知識や免疫のない若い層が、借金をせざるを得ない状況に陥っている
また、コロナ禍で新しく借金デビューを果たす人もいる。 「先日も20代の若者から『コロナでバイトできなくなり20万円の借金をしてしまった。返せないので自己破産したい』と相談がありました。 その額では少なすぎて破産はできませんし、そんな知識や借金に免疫すらない若い層が、コロナ禍で借金をせざるを得ない状況に陥っているのでしょう」
若者の借金を加速させる?スマホ「借金テック」の全貌に迫る
いまやスマホがあれば家にいながら即座にカネを借りられる時代。そんななか、LINEやメルカリなどIT企業による「借金テック」とも呼べそうなサービスが存在感を強めている。借金情報サイト「借金道」管理人のシロウ氏が話す。 「特に注目しているのが『LINEポケットマネー』です。’19年8月からスタートした個人向けローンサービスで、申し込みや審査、借り入れまですべてLINEアプリ内で完結します。去年4月から、2か月で24%も総貸付残高を伸ばしていて、昨年4月の月間新規申込数は3.9万人と、アコムの3.3万人を上回っています」 利用者は、20~30代の若年層が大半を占めているという。 「危惧しているのは、手軽すぎて借金だという実感が薄いことです。借りた額が最短でその日のうちにLINE Pay残高としてチャージされ、コンビニのATMを使えば簡単に現金化もできます。しかし、実際は最大年率18%なので、決してお得とはいえません」